ちびちび飲めのが正解?日本酒の飲み方とは

生活

ちびちび飲むのが正解?日本酒の飲み方とは

2023年12月31日

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日本酒と言うと、背中を丸めて、ちょっとずつちびちび飲んでいるイメージがあるかもしれません。この記事では、なぜ日本酒はちびちび飲むと言われるのか、その理由と歴史的経緯について解説します。また日本酒の基本的な飲み方や、提供温度、容器の違いについても解説します。

ポイント

  • 日本酒の飲み方の種類
  • 日本酒の容器の種類
  • 日本酒はちびちび飲めと言われる理由
  • 日本酒が料理と一緒に提供される理由

ちびちび以外にもいろいろある、日本酒の飲み方の基本

日本酒の飲み方の種類、温度の違い、容器の違いについて解説します。

徳利とお猪口

飲むスタイルの種類

日本酒の様々な飲み方についてご紹介します。

ストレート(そのまま)

日本酒は、何も足したり、割ったりせずに、そのまま飲むのが基本となります。日本酒本来の味と香りを一番楽しめると言えるでしょう。

ただし提供温度はいろいろです。

オンザロック

グラスに氷を入れて飲む方法です。特に夏などにさっぱりとした味わいを楽しむことができます。

水割り

アルコールが強いと感じたら、水で割ると飲みやすくなります。風味を損なうこともなく、ゆっくりと楽しむことができます。

お湯割り

お湯割りにすると、アルコール度数が下がるだけでなく、やわらかな香りを楽しむことができる飲み方です。

特に冬にはおすすめです。

ソーダ割り

特に日本酒が苦手という方は、炭酸割りにすると飲みやすくなるかも知れません。

炭酸の割合を調整することで、初心者でも気軽に楽しめるようになります。

カクテル

ソーダ割以外にも、「トニックウォーター」「コーラ」「お茶」「フルーツジュース」「乳酸飲料」などで割る飲み方も人気です。

その他にも、ジンとベルモットを使った「マティーニ」や、ラムとミントを使った「モヒート」を、日本酒に置き換えたカクテルが知られています。

トッピング

カクテルの一種と言えるかも知れませんが、「梅干し」などを加えるのも定番の飲み方です。

梅干し以外では、「レモン」「ライム」「トマト」「塩」「唐辛子」「はちみつ」などの組み合わせがあります。

飲む温度の種類

日本酒は、他のアルコール飲料と比較して、幅広い温度で飲まれています。

大きく分けて「冷酒」「冷や(ひや)」「お燗(おかん)」に分けられます。

「冷や」は常温でそのまま注ぐだけですが、「冷酒」や「お燗」は冷やしたり温めたりして提供されます。

「冷や」と「冷酒」については、人によって定義の仕方が違うことがありますので、飲食店等で常温で飲みたい場合は、「冷や」ではなく「常温」と注文した方が無難です。

大別温度(℃)呼び方
冷酒5雪冷え(ゆきひえ)
10花冷え(はなひえ)
15涼冷え(すずひえ)
冷や15~25常温
30日向燗(ひなたかん)
35人肌燗
40ぬる燗
45上燗
50熱燗
55飛び切り燗

飲む器の種類

日本酒を飲むための器(グラス)や、提供するための容器は、一般的に「酒器(しゅき)」と言われます。

飲むための器

日本酒を飲むための伝統的な器としては、以下のような形状があります。

量は一般的な目安です。

名前容量(ml)
お猪口(おちょこ)30~45
盃(さかずき)30~80
ぐい呑み40~200
枡(ます)180

その他、タンブラー、ロックグラス、ワイングラス等が使われることもあります。

注ぐための器

「ぐい呑み」や「枡」はそのまま提供されますが、「お猪口」や「盃」は下記のような容器と一緒に提供されることがあります。

名前容量(ml)説明
徳利(とっくり)180~360首がくびれた細長い容器。
片口100~400縁に注ぎ口がついている容器。
ちろり180~500金属製の細長い容器。
お湯の中に入れてお酒をお温める。
銚子(ちょうし)300~500持ち手と注ぎ口がついた、急須のような容器。
徳利のことを銚子と呼ぶことがあるが誤用。

以下の組み合わせが基本となりますが、店舗の提供スタイルによります。

  • 徳利 + お猪口
  • 銚子 + 盃

素材

それぞれの容器の素材としては、以下のようなものが使われます。

温める時の熱伝導率や、保温性、持ちやすさ、耐久性、見た目の美しさなどで選ばれます。

  • 陶器
  • 磁器
  • 漆器
  • 錫(すず)
  • ガラス

なぜ日本酒の飲み方はちびちびなのか

日本酒はなぜちびちび飲むと言われるのか、ちびちび飲んだ方がいい理由、日本酒と料理の関係について解説します。

思い出横丁

日本酒はちびちび飲むと言われる理由

日本酒と言うと、ちびちび飲むというイメージがあるかもしれません。

これはおそらく、日本酒はちびちび飲むのが正解ということではなく、徳利とお猪口で飲むスタイルがちびちび飲んでいるように見える、ということだと思われます。

ビールであれば、ジョッキでごくごく飲むのが正解でしょう。

ワインは一気に飲むものではありませんが、正式には自分で注ぐことはなく、グラスが空けばソムリエが注いでくれますので、ちびちび飲むというイメージはないかもしれません。

ウイスキーやブランデーは、少量ずつのみますが、ボトルからグラスに直接注ぐのが一般的です。

それに対し日本酒は、徳利からごく少量をお猪口に注ぎ、それを飲み干したらまたちょっとだけ注いで……ということを繰り返します。その間に料理も食べるでしょう。その姿がちびちび飲んでいるというイメージにつながっているのではないかと思います。

ちなみに、お猪口が普及したのは江戸時代中期で、この頃にお酒を飲む器が小型化していきました。理由ははっきりとは分かりませんが、神事だった飲酒が一般に普及したこと、アルコール度数が強まったこと、立ち飲み居酒屋が普及したこと、等によって、ちょっとだけ飲むスタイルが普及したことが原因のようです。

日本酒はちびちび飲むのがおすすめな理由

日本酒をちびちび飲むのは、そういうルールがあるということではなく、ただのイメージであるという話をしました。しかしそれでも、ちびちび飲むのがおすすめではあります。その理由をご説明します。

風味を楽しめるから

日本酒は味と香りが豊かな飲料です。

それを最大限楽しむには、一気に飲み干すのではなく、少しずつゆっくり飲むのが適しています。

温めて飲むから

さらに日本酒は、アルコール飲料としては珍しく、温めて飲むことがよくあります。

温めることによって香りがさらに広がりますので、やはりゆっくり飲みたいところです。

一気に酔わないから

お酒を一気に飲むと、血中のアルコール濃度が急激に上昇し、泥酔状態になりやすいです。

ちびちびと少しずつ飲むことで、酔いにくくなりますので、アルコール初心者にもおすすめです。

料理も楽しむから

日本酒は料理と一緒に楽しむのが基本です。むしろ料理の方がメインということもあるでしょう。

酔ってしまうと料理の味も分からなくなってしまうので、やはりゆっくり飲むことが重要です。

日本酒はなぜ料理と一緒に飲むのか

日本酒は、バーのようにアルコールメインというより、居酒屋のように料理メインで提供されることが多いです。これには歴史的な理由があります。

日本酒が普及したのは江戸時代と言われています。そして江戸の街は、極端に男性の割合が高いという特徴がありました。

天正18年(1590年)、徳川家康が江戸城に入場すると、ここに新しい街を作ることを宣言します。そうすると仕事を求めて、多くの人が江戸に集まりました。ここで集まってくるのは、ほとんど男性でしょう。

また、参勤交代で全国から大名が集められましたが、これも男性中心です。

さらに、明暦3年(1657年)に大火事が起きると、再建のために多くの大工が集められました。これも男性が中心です。

このようにして、江戸は極端に男性が多い街となったのです。

そして男性は、今も昔も料理が苦手です。その結果、多くの飲食店が繁盛しました。その飲食店がお酒も提供していたので、日本酒は料理と一緒に飲むのが定番となったのです。

居酒屋のルーツとしては、以下の3つがあると考えられています。

  • 居酒(いざけ):酒屋の店内で飲むスタイル。いわゆる「角打ち」。次第に料理も提供するようになった。
  • 煮売茶屋(にうりちゃや):労働者のための惣菜・定食屋。テイクアウトもあった。次第にお酒も提供するようになった。
  • 屋台(やたい):労働者や独身男性のためのファストフード。お酒も提供するようになった。

これらが組み合わさり、現在の居酒屋のような形態が発展していきました。

そして安政2年(1855年)に江戸で大地震が起きると、多くの人が地方に散らばりました。その際に、江戸の文化も一緒に広まったとされています。

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ちびちび飲むのが正解?日本酒の飲み方まとめ

記事の内容をまとめます。

  • 日本酒の飲み方には「ストレート」「オンザロック」「水割り」「お湯割り」「ソーダ割り」「カクテル」「トッピング」など様々なスタイルがある
  • 日本酒は飲む温度によって「冷酒」「冷や」「燗」に大別される
  • 日本酒を飲む伝統的な器として「お猪口」「盃」「ぐい呑み」「枡」がある
  • 日本酒を注ぐ器として「徳利」「片口」「ちろり」「銚子」がある
  • 日本酒の容器の素材として「陶器」「磁器」「漆器」「錫」「ガラス」「木」がある
  • 日本酒はちびちび飲むと言われる理由は、徳利とお猪口で少量ずつ飲む姿が想像されるため
  • 日本酒を飲む正しいルールはないが、ゆっくりとちびちび飲むのが、やはりおすすめ
  • 日本酒が料理と一緒に提供されるのは、江戸時代に独身男性と労働者のための飲食店が発展したため
  • 日本酒を試しのみするならば、SAKEPOST(酒ポスト)がおすすめ

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