赤ワインは常温で飲むのが定番ですが、実は温めるだけで、その風味が大きく変わります。ホットワインと呼ばれるこの飲み物は、寒い冬の時期やクリスマスには定番です。スパイスやフルーツを組み合わせることによって、体を温めるだけでなく、様々な効果がります。この記事では、ホットワインの魅力を最大限に引き出す方法について解説します。
ポイント
- 赤ワインは温めるだけでも飲めるか
- ホットワインの作り方と注意点
- ホットワインの効果
- ホットワインと相性のよいスパイス・フルーツ
赤ワインを温めるだけで楽しむ方法
ホットワインとは
ワインを温めたものを「ホットワイン」と言いますが、実はこれは和製英語です。
- 英語:マルドワイン(mulled wine)
- フランス語:ヴァン・ショー(vin chaud)
- イタリア語:ヴィン・ブルレー(vin brule)
- ドイツ語:グリューワイン(gluhwein)
などと呼ばれるのが一般的です。この記事では、ホットワインとして扱います。
基本的には赤ワインを使用しますが、白ワインの場合もあります。
寒い冬の時期、特にクリスマスには定番の飲み物です。
温めるだけの赤ワインは飲める?
では、ワインを温めるだけでいいのかということですが、「まぁ、飲めるのならばそれでいいけど……」というところです。
味覚は人それぞれなので、なんとも言えませんが、多くの人は、温めただけのワインは美味しくないと感じることでしょう。
シナモンやクローブなどのスパイス、オレンジやレモンなどのフルーツ、はちみつや砂糖などで風味付けをすることが一般的です。
鍋を使った赤ワインの温め方
赤ワインを鍋で温める時に、一番重要なことは、沸騰させないことです。沸騰させると、アルコール分が飛んでしまいます。
鍋にワインを入れ、スパイスやフルーツなども加えます。
弱火から中火にかけ、沸騰する直前に火を止めます。
クローブなどのスパイスを使った場合は、茶こしを使って取り除きましょう。
飲む時の温度は、60℃程度になることが理想です。
たくさん作ってポットで保管することもできますが、簡単なので、飲む分量だけ作るのがよいでしょう。
レンジで簡単に作るホットワイン
もっと簡単にホットワインを作るなら、電子レンジがおすすめです。
容器や電子レンジの性能によって温め時間は変わりますが、カップ1杯(150ml~200ml)あたり、500Wで1分ほどが目安です。
加熱が足りないと感じたら、10秒ごと追加して、様子を見るようにします。
沸騰するとアルコールが飛んでしまうため、適切な温度になるように、徐々に温めていきましょう。
レンジでホットワインを作る際は爆発に注意
ワインを急激に温めると、爆発するように沸騰して、液体がこぼれることがあります。これは「突沸」と呼ばれる現象です。
ワインは、その成分であるエタノールが沸点を迎えると、急速に膨張します。電子レンジの加熱は、全体の温度が均一にならずに、一部分だけ沸騰して膨張し、全体が爆発することがあるので、注意しましょう。
電子レンジを使用する際は、一気に加熱せずに、少しの時間ずつ試しながら、その都度かき混ぜるようにするとよいでしょう。全体の温度を均一にすることで、突沸するのを防ぐことができます。
また、ボックスワイン(箱ワイン、バッグインボックス)を、そのまま電子レンジで温めると、壁が吹き飛ぶほどの大爆発を引き起こします。とても危険なので、必ずカップ等の耐熱容器に移し替えて、温めるようにしましょう。
ホットワインに適した赤ワインは?
ホットワインにするには、基本的にどんなワインでも構いませんが、渋みや酸味が少なく甘口のワインの方が向いているとされています。
一般的には、高級ワインよりも、安価なワインの方が適していると言えます。
また、赤ワインだけでなく、白ワインやロゼワインを使うと、また違った味わいがあります。
ホットワインは、はちみつだけでもおいしい
ホットワインは、香辛料やフルーツを加えるのが定番ですが、家にないという方も多いと思います。
そういう時は、はちみつがあれば、それだけでおいしく飲むことができます。
はちみつは、ワインの風味を引き立て、さらに深みを加えます。また、喉にも良いとされており、風邪の予防にもなります。
200mlあたり、スプーン1杯程度のハチミツを入れるとよいでしょう。さらに、レモンジュースがあれば、それだけで完璧なレシピとなります。
普段、家にスパイスを常備していないという方は、ぜひハチミツホットワインをお試しください。
ホットワインとシナモンパウダーは最強の組み合わせ
無数にあるスパイスの中、赤ワインに合うものを一つ選べといわれたら、だんぜんシナモンとなります。
シナモンには、スティックタイプとパウダータイプがありますが、どちらを使っても良いです。シナモンの甘くてスパイシーな風味が、赤ワインの風味に刺激を与え、引き立てます。
ただしシナモンの香りは強力なので、入れすぎないようにしましょう。カップ1杯あたり、ティースプーン1/4程度が目安です。
シナモンは、世界最古のスパイスとも言われています。最初に用意するスパイスとして、ぜひお試しください。
赤ワインを温めるだけで体温を上げる
赤ワインを温めて飲むメリット
赤ワインを飲む適温は、10℃~20℃と言われています。
ホットワインは60℃ほどなので、適温から多く外れています。邪道なのかと言われれば、そんなことはなく、温めることで多くのメリットがあります。
香りが良くなる
赤ワインを温めると、その中に含まれるエステルという化合物が活性化します。エステルはワインの香りを形成する主要な要素です。温度が上昇することで、その香りがより強くなり、ワインの風味が豊かになります。
ポリフェノールの効果が増す
赤ワインには、ポリフェノールという抗酸化成分が含まれてります。ポリフェノールは、心臓病の予防や、老化の抑制に効果があると言われています。赤ワインを温めることで、ポリフェノールが吸収しやすくなり、その健康効果が高まることが知られています。
体温が上昇する
赤ワインを温めることで、体温を上昇させることができます。特に、寒い季節には有用です。赤ワインのアルコールが、体を内側から温めてくれます。
また、それにより寝付きが良くなり、疲労回復や、風邪の予防にもつながります。。
赤ワインと相性のいいスパイス・フルーツ
赤ワインそのものだけでなく、スパイスにも様々な効果があります。スパイスを加えることで、より効果を期待できます。またフルーツには、ビタミンが豊富に含まれています。
ホットワインと相性の良いおすすめのスパイスを、いくつかご紹介します。
スパイス
「シナモン」「クローブ」「カルダモン」が定番です。その他、お好みに応じてアレンジしてみてください。
- シナモン
- クローブ
- カルダモン
- ローリエ
- ナツメグ
- バニラ
- アニス
- スターアニス
- ローズマリー
- タイム
- ジンジャー
- ブラックペッパー
- オールスパイス
フルーツ
柑橘系のフルーツは、だいたい合います。日本の「柚子」などを試すのもよいでしょう。
- レモン
- ライム
- オレンジ
- リンゴ
その他
甘さが足りない場合は、ハチミツ等で調整しましょう。
- 砂糖
- ハチミツ
- リキュール
まとめ 赤ワインは温めるだけでも大丈夫か
記事の内容をまとめます。
- ホットワインとは、ワインを温めたもので、寒い冬の時期やクリスマスに定番の飲み物
- 赤ワインを温めるだけでも飲めるが、多くの人は美味しくないと感じる
- スパイス、フルーツ、はちみつや砂糖などで風味付けをすることが一般的
- 赤ワインを鍋で温める時に、一番重要なことは、沸騰させないこと
- 飲む時の温度は、60℃程度になることが理想
- 赤ワインを温めると、その中に含まれるエステルという化合物が活性化し、香りが良くなる
- 赤ワインには、ポリフェノールという抗酸化成分が含まれており、温めることでその健康効果が高まる
- 赤ワインを温めることで、体温を上昇させることができ、寝付きが良くなり、疲労回復や、風邪の予防にもつながる
- ホットワインにするには、基本的にどんなワインでも構わないが、渋みや酸味が少なく甘口のワインの方が向いている
- ホットワインは、はちみつだけでもおいしい
- ホットワインと相性の良いスパイスには「シナモン」「クローブ」「カルダモン」がある
- ホットワインと柑橘系のフルーツは、だいたいよく合う