ゼロハリバートンとリモワは、どちらもアルミニウム製のかっこいいケースを作っているブランドですが、主力がアタッシュケースかスーツケースかという違いがあります。この記事では、ゼロハリバートンとリモワの特徴と違いについて解説しています。また合わせて、ブリーフケース、アタッシュケース、スーツケースの違いについても解説しています。
ゼロハリバートンとリモワの概要
ゼロハリバートンとリモワの、ブランドの概要と特徴をご紹介します。合わせて、アタッシュケースとスーツケースの違いについても解説します。
ゼロハリバートンとは
「ゼロハリバートン(Zero Halliburton)」は、1938年にアメリカのカリフォルニア州で設立された、カバンメーカーです。
日本ではよく「ゼロハリ」と略されますが、「ゼロハリ・バートン」ではなく、「ゼロ・ハリバートン」です。
特に、アルミニウム製のアタッシュケースで有名です。
2006年に、日本の「エース」が買収し、商標権と販売権を取得しました。
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月の石を持ち帰ったケース
ゼロハリバートンは、1969年に月面着陸に成功したアプロ11号のミッションにおいて、月の石を持ち帰るためのケースを特別製作しました。
この大役を任されたのは、ゼロハリバートンのケースが高い耐久性で知られていたことの証明となっています。
また、ジェームズ・ボンドの映画などに頻繁に登場したことから、クールでプロフェッショナルなケースというイメージを確立していきました。
リモワとは
「リモワ(Rimowa)」は、1898年にドイツのケルンで設立された、カバンメーカーです。
特に、アルミニウム製のスーツケースで有名です。
2017年に、フランスのLVMHグループが買収しました。
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世界初のアルミニウム製とポリカーボネート製
リモワは、1937年に世界で初めてアルミニウム製のスーツケースを発表しました。
軽くて丈夫なアルミニウムを使用するアイデアは、航空機からインスピレーションを得たとされています。
また、2000年にはポリカーボネート製のスーツケースを発表しました。これも世界初の試みです。
リモワはスーツケース業界をリードしてきた会社と言えるでしょう。
アタッシュケースとスーツケースの違い
アタッシュケースとスーツケースは、両方とも箱型をしているという共通点はありますが、その起源と目的が異なります。
簡単に言うと、アタッシュケースはビジネス用、スーツケースは旅行(移動)用です。
アタッシュケースは「丈夫なブリーフケース」とも言えるため、まずブリーフケースからご紹介します。
ブリーフケースとは
「ブリーフケース(briefcase)」は、日本語に訳すと「書類用カバン」となります。
「brief」は「legal briefs」の略で、法廷に提出する、論点を簡潔にまとめた書類のことです。
つまり、弁護士や裁判官が重要書類を持ち歩くためのカバンが、ブリーフケースの原点です。
そこから、一般的なビジネス用途にも広まっていきました。
片手で持てるサイズで、素材として、主に革やナイロンが使われています。
アタッシュケースとは
「アタッシュケース(attaché case)」は、日本語に訳すと「大使館員用カバン」となります。
「attaché」はフランス語で、大使館で働く書記官や駐在武官を指す言葉です。
フランス語読みをすると「アタッシェ」、英語読みをすると「アタッシュ」となります。
なぜ英語ではなくフランス語が使われているのかというと、18~19世紀の、外交の世界の共通語はフランス語だったからです。英語が主流になったのは20世紀以降です。
箱型をしており、素材として、革やアルミニウムがよく使われます。
スーツケースとは
「スーツケース(suit case)」は、旅行用カバンの一種です。
「suit」とは、日本で一般的に使われているスーツよりも広い概念で、一揃いの服というような意味です。
「スーツケース」は、「衣類用カバン」というのが、原点となります。
現在では、積み重ねたり、移動をしやすくしたりするために、丈夫な箱型で、車輪やハンドルがついている形が主流です。
大型のものは「トランク(trunk)」と呼ぶこともあります。
ゼロハリバートンとリモワの比較
ゼロハリバートンとリモワを代表する、スーツケースとアタッシェケースについて、それぞれ比較をおこないます。
スーツケースの比較
ゼロハリバートンとリモワのスーツケースについて、機内持ち込みサイズの代表的なモデルについて比較します。
ゼロハリバートン Classic Aluminum 3.0
ゼロハリバートンのスーツケースは、デザインは統一されており、ほぼサイズの違いだけです。(一部素材などの例外もあります)
- サイズ:H55 x W37 x D23 cm
- 容量:33 L
- 重量:5 kg
- 素材:アルミニウム
- 保証:10年
リモワ Original Cabin
リモワは、素材の違いによりいくつかのタイプを出していますが、一番代表的なアルミニウムのものをご紹介します。
- サイズ:H55 x W40 x D23 cm
- 容量:35 L
- 重量:4.3 kg
- 素材:アルミニウム
- 保証:生涯
違い
リモワは、世界を代表するスーツケースブランドであり、LVMH配下になったこともあって値段も高くなっています。円安の影響もあるでしょう。
ゼロハリバートンのアルミニウム製のスーツケースの保証は10年ですが、リモワのスーツケースには生涯保証がついています。一生物のスーツケースを探しているのであれば、まずリモワが選択肢として挙げられるでしょう。
ゼロハリバートンの修理は、日本のエース社が対応しています。リモワはドイツの会社ですが、日本にも多くの修理窓口があります。
アタッシュケースの比較
ゼロハリバートンとリモワの、アルミニウム製のアタッシェケースについて比較します。
ゼロハリバートンはサイズによって何種類か展開していますが、リモワのアタッシェケースは1種類のみです。
ゼロハリバートン Classic Aluminum 3.0 ATT Small
- サイズ:H30 x W42 x D12 cm
- 重量:2.7 kg
- 素材:アルミニウム
- 保証:10年
リモワ アルミニウム ブリーフケース
- サイズ:H35 x W41.5 x D8.5 cm
- 重量:3 kg
- 素材:アルミニウム
- 保証:2年
違い
スーツケースと違い、アタッシュケースの場合は、ゼロハリバートンの方が保証期間が長くなっています。
機能的な違いはほとんどないと思われますが、価格差が大きいため、可能であれば実際に手にとって、気にいる方を選ぶことをおすすめします。
ゼロハリバートンとリモワの違いまとめ
ゼロハリバートンとリモワの特徴と違いを表にまとめます。
価格や保証期間は、アルミニウム製の代表的モデルのものであり、素材やタイプによって異なりますのでご注意ください。
ゼロハリバートン | リモワ | |
---|---|---|
創業年 | 1938年 | 1898年 |
創業国 | アメリカ | ドイツ |
グループ | エース(日本) | LVMH(フランス) |
代表作 | アルミニウム製の アタッシュケース | アルミニウム製のスーツケース |
スーツケースの値段 | 10万~ | 20万~ |
スーツケースの保証期間 | 10年 | 生涯 |
アタッシュケースの値段 | 8万~ | 30万~ |
アタッシュケースの保証期間 | 10年 | 2年 |