旅行にスーツケースは必需品ですが、タクシーを呼ぼうと思った時に、ちゃんと入るのかと心配になるかもしれません。この記事では、スーツケースの代表的なサイズと、タクシーに使われている定番車種、そして車種別にスーツケースが何個入るかの目安について解説しています。また、タクシーで荷物を運ぶ貨客混載制度についても解説しています。
ポイント
- スーツケースのサイズ区分
- タクシーの人気車種
- タクシーにスーツケースは何個入るか
- タクシーの運転手は荷物を運んでくれるか
- 貨客混載タクシーについて
タクシーの車種別:スーツケースは何個入る?
スーツケースのサイズの区分と、タクシーでよく使われている車種、車種別にスーツケースを詰める数の目安をご紹介します。
スーツケースのサイズ
スーツケースのサイズは、ブランドやモデルによって差がありますが、目安としては次の4つに分けることができます。
よく使用されるのは、飛行機の機内に持ち込める小サイズ、国際線で無料で預けることができる中サイズ、国内線で無料で預けることができる大サイズです。
以下、小サイズと大サイズを例として使用します。
サイズ | 3辺の合計(cm) | 高さ(cm) | 容量(L) | 宿泊日数(日) |
---|---|---|---|---|
小 | 115 | 55 | 35 | 3 |
中 | 158 | 70 | 60 | 7 |
大 | 203 | 80 | 90 | 14 |
特大 | 203~ | 80~ | 90~ | 14~ |
203cmのスーツケースはどれくらいなのか徹底解説!
スーツケースを飛行機内に持ち込もうとした場合、3辺の合計が「115cm」「158cm」「203cm」以内というのが、一つの目安となります。115cmは機内に持ち込めるサイズ、158cmは国際線で無料で ...
タクシーの車種とサイズ
日本で使われているタクシーの車両は、かつてはルールが定められていましたが、2015年に撤廃され、現在はどんな車両を使ってもいいことになっています。
タクシー車両の基準緩和等について(国土交通省:平成27年6月12日)
以前はセダンタイプがほとんどでしたが、規制撤廃の影響もあり、最近はミニバンタイプが増えています。
メーカーとしてはトヨタが圧倒的に多いです。少し前までは日産も人気でしたが、減少傾向にあります。理由として、タクシーは一般車に比べて市場規模が小さく、ビジネスとしても力を入れにくいためのようです。
セダン
「セダン(Sedan)」とは、エンジン(ボンネット)、乗客(車内)、貨物(トランク)の3ボックス構成の乗用車のことです。
トヨタ・クラウンセダン
「クラウンセダン(Crown Sedan)」は、1974年からトヨタが販売していたセダン型の乗用車です。
高級仕様ということで、政府関係車やタクシーによく使用されています。
2018年に生産終了となり、後継車として「クラウン(Crown)」が発表されています。
トヨタ・クラウンコンフォート
「クラウンコンフォート(Crown Comfort)」は、1995年からトヨタが販売していたセダン型の商用乗用車で、主にタクシー用途として使用されています。
「クラウン」の名前がついていますが、上記の「クラウンセダン」とはあまり関係がありません。
2018年に生産終了し、タクシー専用車としては「ジャパンタクシー」に引き継がれています。ただしジャパンタクシーはミニバンタイプなので、セダン型のタクシー専用車両はなくなったと言えます。
日産・セドリック
「セドリック(Cedric)」は、1960年から日産が販売していた乗用車です。タクシーやパトカーに多く採用され、トヨタのクラウンとよく比較されていました。
2004年に販売終了しています。
日産・クルー
「クルー(Crew)」は、日産が1993年から2002年まで販売していたセダン型の乗用車です。
タクシーやパトカー、教習車として使用されていました。
トヨタ・レクサス
「レクサス(LEXUS)」は、トヨタが販売する高級車ブランドです。
乗り心地を重視する個人タクシーやハイヤーでよく採用されています。
ステーションワゴン
ステーションワゴン(Station Wagon)は、セダンをベースにしつつ、乗客と貨物ルームが一体になった、2ボックス構成の乗用車のことです。
トヨタ・プリウスα
「プリウスα(Prius Alpha)」は、トヨタが2011年から2021年まで販売していたハイブリッド動力のステーションワゴンです。
燃費が良いことから、タクシーにもよく採用されています。
ミニバン
「ミニバン(Minivan)」に正確な定義はありませんが、シートが3列あり、定員が6~10名程度の車種を指します。フロント部分が短いタイプが多いので、1.5ボックス構成と言われることもあります。
日産・NV200バネットタクシー
「NV200バネットタクシー(NV200 Vanette TAXI)」は、日産が2015年から2021年まで販売していた、タクシー専用ミニバンです。
車椅子に対応するなど、国土交通省が定める「ユニバーサルデザインタクシー」として期待されていましたが、まだミニバンタイプのタクシーが日本に普及しておらず、あまり人気が出なかったため、早期終了となりました。
標準仕様ユニバーサルデザインタクシーの認定制度を創設します(国土交通省:平成24年3月28日)
トヨタ・アルファード
「アルファード(Alphard)」は、トヨタが2002年から販売している、大型のミニバンです。
ミニバンとしては高級仕様のため、タクシーや公用車としてよく採用されています。
トヨタ・ヴェルファイア
「ヴェルファイア(Vellfire)」は、トヨタが2008年から販売している、大型のミニバンです。
アルファードがラグジュアリー路線なのに対し、ヴェルファイアはモダンかつアクティブ路線です。
トヨタ・ジャパンタクシー
「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」は、2017年からトヨタが販売している2列シートのミニバンです。広々とした客室や、車椅子に対応した乗降スロープなど、タクシーに特化した作りとなっています。
一般的にミニバンは3列シートで、2列シートのものをトールワゴンと言ったりしますが、この記事では便宜上ミニバンとさせていただきます。
長らくタクシーの代名詞であったセダンタイプの「クラウンコンフォート」や「セドリック」が生産終了となったため、今後のタクシーの主力車種として期待されています。
タクシーにスーツケースは何個入る?
上記の「セダン」「ステーションワゴン」「ミニバン」のトランクに、スーツケースが何個入るかの目安をご紹介します。
「ジャパンタクシー」はミニバンとしては小型なので、ステーションワゴンと同程度とお考えください。
もちろんスーツケースのサイズや車種によって異なりますので、あくまでも目安です。
車種 | 小(個) | 大(個) |
---|---|---|
セダン | 2~3 | 1 |
ステーションワゴン | 2~4 | 2 |
ジャパンタクシー | 2~4 | 2 |
ミニバン | 4~6 | 2~4 |
タクシーでスーツケースだけ運んでくれる?
タクシーに荷物を自分で積む必要があるか、タクシーが荷物を運ぶことは可能かについて解説します。
タクシーにスーツケースは自分で載せる必要がある?
基本的に、タクシーにスーツケースを載せるのは、乗客が自分で行います。
ただしトランクは運転席からしか開けられないことが多いので、「トランクお願いします」と一言伝えて、開けてもらいます。
荷物を載せるのを手伝ってくれる運転手さんも多いですが、道路上で降りるのが危険な場合もありますし、あくまで無償で手伝ってくれているという前提で、期待はしないようにしましょう。
また、スーツケースなどの大きな荷物は、客室に持ち込むよりも、トランクに積んだ方が無難です。客室を汚したり、傷つけたりする恐れがあるためです。
東京で荷物を運んでくれるタクシーはある?
タクシーの運転手が荷物を積んでくれるのは善意からということでしたが、ビルの上層階まで荷物を運んで欲しいとか、自分は乗らないけど荷物だけ運んで欲しい、などということを考えたことがあるかもしれません。
実は今まで「貨物運送」と「旅客運送」は明確に分けられており、タクシーが荷物を輸送することは禁止されていました。荷物を運ぶならば、貨物運送業者に依頼する必要がありました。
それが、過疎化や高齢化、ドライバー不足などの問題を受け、「貨客混載」の規制が緩和され、2017年頃から過疎地域を中心に実証実験が行われてきました。
そして、2023年6月30日より、全国的に貨客混載が可能となりました。
貨客混載制度の実施区域の見直しについて(国土交通省:令和5年5月30日)
例えば京都では、株式会社キャビックが「先に運んどくわ お荷物チェックインTAXI」というサービスを2023年10月から開始しています。これは、タクシーで乗客と荷物を観光地まで運んだ後、乗客だけ降ろし、荷物はタクシーがホテルまで運んでくれるというサービスです。
東京では、西東京バスとヤマト運輸が、路線バスで宅急便を輸送するサービスを、2020年より奥多摩エリアで開始しています。
ただし、東京で貨客混載のサービスを行うタクシー会社は、まだ出てきていないようです。始まったばかりなので、今後に期待というところです。
まとめ タクシーにスーツケースが入る個数と、貨客混載サービスについて
記事の内容をまとめます。
- タクシーはセダンタイプが多かったが、現在はミニバンタイプが増えている
- トヨタ・クラウンコンフォートや、日産・セドリックがタクシーの定番車種だったが、生産終了となった
- トヨタのジャパンタクシーが、今後の主力車種として期待されている
- セダンタイプのトランクに入るスーツケースは、大型で1個
- ステーションワゴンタイプのトランクに入るスーツケースは、大型で2個
- ジャパンタクシーのトランクに入るスーツケースは、大型で2個
- ミニバンのトランクに入るスーツケースは、大型で2~4個
- タクシーに荷物を積むのは、基本的には自分で行う必要がある
- タクシーが荷物を輸送することは法律で禁止されていたが、2023年より規制緩和された
- 貨客混載のタクシーサービスは、京都では一部始まっている
- 東京では、バス会社が貨客混載サービスを始めているが、タクシー会社ではまだない