リモワのスーツケースは、とても人気な一方で値段が高いことで知られています。逆に言えば、値段が高くても選ばれ続けていると言えます。この記事では、リモワの特徴と、人気の理由について詳しく解説しています。また、リモワの値段が高い理由と、安く利用する方法についても解説いたします。
ポイント
- リモワの特徴
- アルミニウムとポリカーボネート
- リモワのコレクション
- リモワが人気の理由
- リモワが高い理由
リモワは高いのに、なぜみんな使うの?
スーツケースの定番ブランドである、リモワの概要と特徴、モデルごとの違い、選ばれる理由について解説します。
リモワとは
「リモワ(Rimowa)」とは、ドイツの高級スーツケースブランドです。現在は、LVMHグループに所属しています。
リモワは、1898年に「パウル・モルシェック(Paul Morszeck)」によって、ドイツのケルンで創業されました。
この時の社名は「Sattlerei Görtz & Morszeck」で、「ゲルツ・モルシェック馬具工房」というような意味です。「ゲルツ」とは共同創業者の名前のようですが、詳細は不明です。
1930年に、息子の「リヒャルト・モルシェック(Richard Morszeck )」が事業を引き継ぎ「RIMOWA」に改名しました。
「RIMOWA」は「RIchard MOrsceck WArenzeichen」の略で、「リヒャルト・モルシェック商標」という意味です。
2016年10月より、LVMHグループの傘下となりました。
リモワの特徴
リモワは、縦縞の凹凸(リブ加工)が入った、ジュラルミン(アルミニウム合金)製のスーツケースが有名で、ブランドのアイコンとなっています。凸凹は他のスーツケースブランドにも見られますが、これはリモワを模倣したものです。
20世紀初頭、スーツケースと言えば、木と革で作られていることが一般的であり、リモワも例外ではありませんでした。
1930年代に、リモワの工場が火災が発生し、材料のほとんどが燃えてしまいます。焼け落ちた工場の中で、アルミニウムの破片だけが残っていたことから、アルミニウム製のスーツケースのアイデアが生まれます。
そして1937年に、世界初のアルミニウム製スーツケースを発売しました。これは、第一次世界大戦の終わりにドイツが開発した、世界初の全金属製飛行機「ユンカース(Junkers)」の影響を受けていると言われています。
2000年になると、これも世界初となるポリカーボネート製のスーツケースを発表します。ポリカーボネートは、プラスチックの一種で、耐衝撃性と耐熱性に優れています。またアルミニウム合金よりも軽量です。
2023年には、レザー製のスーツケースを発表しました。
現在のリモワは、アルミニウム、ポリカーボネート、レザーの3種の素材から選べれるようになっています。
リモワのモデル
リモワのスーツケースは、主に素材によってコレクションが分けられています。
まずは素材、次に大きさ、最後にカラーを選ぶとよいでしょう。
オリジナル(旧名:トパーズ)
「オリジナル(Original)」は、アルミニウム製のフラッグシップモデルです。
一目でリモワと分かる、定番コレクションです。
クラシック(旧名:クラシック・フライト)
「クラシック(Classic)」は、シルバーで統一され、角張ったデザインが特徴の、伝統的なモデルです。
素材はアルミニウムで,ハンドルは革製となっています。
エッセンシャル(旧名:サルサ)
「エッセンシャル(Essential)」は、耐久性・耐熱性・軽量性を備えたポリカーボネート製のモデルです。
エッセンシャル・ライト(旧名:サルサエアー)
「エッセンシャル・ライト(Essential Lite)」は、エッセンシャルからさらに30%の軽量化を実現したモデルです。
エッセンシャル・スリーブ(旧名:ボレロ)
「エッセンシャル・スリーブ(Essential Sleeve」は、エッセンシャルにフロントポケットが装備されたモデルです。
機内持ち込みサイズのみの展開です。
ハイブリッド(旧名:リンボ)
「ハイブリッド(Hybrid)」は、ポリカーボネート製の角をアルミニウムで保護したモデルです。
軽量性と耐久性を両立させています。
また、エッセンシャルの開閉はファスナーですが、ハイブリッドはフレームタイプとなっています。
ディスティンクト
「ディスティンクト(Distinct)」は、2023年に登場した新シリーズで、リモワ唯一となるレザー製のスーツケースです。
リモワは、アルミニウムが導入される前は、レザー製のものも作っていたようですが、約90年ぶりの復活となりました。
角とロゴプレートはアルミニウムとなっています。
モデル名 | 素材 |
---|---|
オリジナル | アルミニウム |
クラシック | アルミニウム |
エッセンシャル | ポリカーボネート |
エッセンシャル・ライト | ポリカーボネート |
エッセンシャル・スリーブ | ポリカーボネート |
ハイブリッド | ポリカーボネート アルミニウム |
ディスティンクト | レザー アルミニウム |
リモワを持つメリット
リモワが選ばれる理由についてご説明します。
軽くて丈夫
リモワを使ったことがあるユーザーが必ず言うのが、軽いということです。
ジュラルミンのスーツケースは見た目に反してとても軽いです。ポリカーボネートはさらに軽量です。
キャスターは、2つの車輪がセットになった「ダブルホイール」で、耐久性があります。さらに「マルチホイールシステム」によって、360度取り回しがしやすくなっています。
使いやすさとデザイン
リモワのスーツケースは、多機能という訳ではなく、本当に必要な機能だけを洗練させています。
そしてデザインもシンプルで、ミニマリズムな美しさがあります。
ブランドロゴではなく、デザインそのものでリモワと分かるのが、スーツケース業界を牽引してきた威厳と言えるでしょう。
サポート
リモワのスーツケースには、生涯保証の無期限サポートがついています。
また、有償修理になった場合も、そこまで高額という訳ではありません。
そのため、一度リモワを使用したユーザーは、品質に対する満足度とサポートの安心感から、ずっとリモワを使い続ける傾向にあります。
リモワはなぜ高い?安く利用するには?
リモワの値段が高い理由について解説します。またレンタルがおすすめな理由についても解説します。
ドイツ製だから
リモワは、1898年にドイツのケルンで創業して以来、現在もケルンの工場で生産を続けています。
全ての製品をケルンで製造している訳ではありませんが、リモワを代表するアルミニウムのスーツケースは、ドイツの熟練の職人によって作られているとされています。
中国や東南アジアのような人件費の安い国と比べれば、当然コストは高くなります。
手作業だから
リモワのスーツケースは、ほとんどの工程が手作業で作られています。
機械による大量生産に比べれば、コストは高くなります。
その分、きめ細やかな品質が保証されています。
LVMHだから
リモワはもともと高級スーツケースとして知られていましたが、2016年にLVMHグループ傘下となってからは、さらに値段が高くなりました。だいたい5割増くらいになったようです。
以下の表は、有名なスーツケースブランドの大まかな価格帯を表したものです。
ブランド | 値段(円) |
---|---|
ルイ・ヴィトン | 50万~ |
リモワ | 10万~30万 |
トゥミ | 10万~20万 |
ブリッグスアンドライリー | 5万~12万 |
サムソナイト | 5万~10万 |
アウェイ | 3万~10万 |
デルセー | 3万~5万 |
リモワは、ルイ・ヴィトンに次いで値段が高いブランドとなっています。
「リモワはなぜ高いのか?」という質問は、「ルイ・ヴィトンはなぜ高いのか?」と同じことです。
「ルイ・ヴィトンは、ルイ・ヴィトンだから高い」のです。
みんなスーツケースではなく、ルイ・ヴィトンを買っているのです。これがブランド力であり、ネームバリューと呼ばれるものです。
そしてルイ・ヴィトンは、LVMHを代表するブランドです。
リモワもLVMHグループになったことで、ブランド戦略が強化され、ネームバリューも上がりました。
「リモワは、リモワだから高い」ブランドとなりました。
生涯保証だから
LVMHグループになってから変わったことの一つに、保証体制があります。
リモワはもともと5年保証(通常2年、オンライン登録で5年)を謳っていましたが、2022年以降は生涯保証が付くようになりました。
スーツケースはどうやったって壊れるものです。キャスターやハンドルは消耗品ですし、たとえ自分が大切に使っていたとしても、空港スタッフに雑に扱われて壊れてしまうことはよくあります。
そんな時に、(通常使用範囲であれば)無償で修理を受け付けてくれるというのは、大きな安心感となります。
また、有名ブランドなだけあって、世界中に修理受付の窓口があるのも嬉しい点です。
一生ものとして使うことを考えれば、たとえ初期費用が高くても、許容できるのではないでしょうか。
レンタルがおすすめ
リモワのスーツケースは一生ものとは言え、スーツケースはたまにしか使わないという人も多いでしょう。
数年に一度しか使わないものに、数十万円もかけてはいられません。
そんな時におすすめなのが、レンタルを利用する方法です。
定価数十万円のスーツケースが、数千円からレンタルできます。
スーツケースは持っているだけで邪魔になりますし、たまにしか利用しないのであれば、レンタルするメリットは大きいです。
まとめ リモワのスーツケースはなぜ高い?
記事の内容をまとめます。
- リモワは、1898年にドイツで創業されたスーツケースブランド
- リモワは、1937年に世界初となるアルミニウム合金製のスーツケースを発表した
- リモワは、2000年に世界初となるポリカーボネート製のスーツケースを発表した
- リモワのスーツケースは、耐久性を向上させるために入れられた縦縞のリブ加工が特徴
- リモワが人気の理由は、軽くて丈夫であること、使いやすいこと、デザインが優れていること、サポートが充実していること
- リモワの値段が高い理由は、ドイツ製、手作業、LVMHのブランド戦略、生涯保証であることが挙げられる
- リモワのスーツケースは、主に素材によってコレクションが分けられている