フィリピンに雪は降る？冬のフィリピンの楽しみ方

一般的に日本では12月～2月が冬とされており、雪が降る地域も多いです。そんな寒い日本を脱出して、フィリピンへの旅行を計画している人も多いでしょう。しかしフィリピンに冬はあるのでしょうか。雪が降ったりするのでしょうか。この記事では、冬のフィリピンの気候や、雪が降るかどうか、おすすめのイベントについて、詳しく解説しています。

フィリピンに雪は降る？冬でも泳げる？

フィリピンを含めアジアの国々で雪が降るかどうか、フィリピンと日本の平均気温の比較、フィリピンの四季、冬でも泳げるかどうかについて解説します。

アジアで雪が降る国・降らない国の一覧

フィリピンでは雪が降りません。氷河期まで行くと流石に分かりませんが、少なくとも数千年の間では、一度も降ったことがないようです。

こちらはアジアの国で、雪が降るか降らないかをまとめた表です。

一般的な気候情報を基にしていますが、国によっては特定の地域でのみ雪が降る場合があります。また気候変動により状況が変わる可能性もあります。

東南アジアの全て、中東と南アジアの一部の国で、雪が降らないことが分かります。中央アジアと東アジアは全ての国で雪が降ります。

フィリピンは東南アジアなので、雪は降りません。

フィリピンの冬の気温は？

こちらは、東京、札幌、那覇、マニラの月別平均気温を比較した表です。フィリピンでは都市ごとの気温差がそれほどないため、代表してマニラと比較をしました。

夏の沖縄とマニラの気温はほぼ同じですが、マニラは一年を通じて変動がないことが分かります。もちろん北海道のように、氷点下になることもありません。

一般的に日本では、「冬」とは12月から2月を指しますが、フィリピンには「冬」という概念がありません。

フィリピンに四季はある？

フィリピンには、日本のような四季はありません。フィリピンは熱帯気候に属しており、一年中温暖で、気温の変動は大きくありません。

春夏秋冬という四季の変化はありませんが、主に「乾季」と「雨季」2つの季節に分けられています。またその間に「酷暑」を含める場合もあります。

乾季

乾季は、通常11月～4月までです。

この期間は比較的乾燥していて、晴れの日が多くなります。

過ごしやすく、観光には最適な季節と言えます。

酷暑

3月～5月は、特に暑くなるので、酷暑として区別することもあります。

日本では春ですが、フィリピンでは真夏に相当します。屋外で長時間過ごすことは熱中症の危険があります。

雨季

雨季は、通常5月～10月までです。

この期間は湿度が高く、頻繁に強い雨が降ります。

台風の影響を受けやすいため、旅行には注意が必要な季節と言えます。

マニラの12月は泳げる？

マニラでは1年中泳ぐことができますが、特に12月は、泳ぐのに適した時期です。

フィリピンは熱帯気候で、一年を通して温暖な日が続きます。12月は乾季が始まった頃で、雨が少なく、気温も快適です。平均気温は26～30℃くらいで、水温も暖かく、ビーチやプールで泳ぐには理想的な条件が揃っています。

日差しが強いので、日焼け対策や水分補給には十分な注意が必要となります。

雪がなんだって！？こっちはパレードだ！！な冬のフィリピンイベント

冬のフィリピンでおすすめのイベントを、12月・1月・2月に分けてご紹介します。

冬のフィリピンは熱狂的

12月～2月のフィリピンは、雪が降るということはありえず、むしろ泳ぐのに最適な時期です。また、多くのイベント・フェスティバルが開催されていますので、観光にもおすすめの時期です。

フィリピンの祭りは、現地文化・スペイン文化・キリスト教文化が融合した、宗教的かつ熱狂的なものが多いです。

以下に、月別におすすめのイベントをご紹介します。

12月のイベント

12月のフィリピンで開催される、おすすめのイベントを3つご紹介します。

シンバン・ガビ

「シンバン・ガビ（Simbang Gabi）」は、クリスマスに先立つ12月16日から24日までの9日間、早朝に行われる伝統的なミサです。全国の教会で開催されます。「シンバ」は「教会」、「ガビ」は「夜」を意味します。

シンバン・ガビは、フィリピンのスペイン植民地時代に始まりました。もともとは、農民たちが仕事に行く前にミサに参加できるよう、早朝に行われたことが起源です。

宗教的には、カトリックの伝統に基づき、キリストの誕生を待ち望むアドベント（待降節）の期間に位置づけられています。

伝統的には、夜明け前の3時・4時といった早朝からミサが開催されます。教会はクリスマスの装飾で飾られ、特別な雰囲気を醸し出しています。9日間全てのミサに出席することは、特に信仰深い行いとされ、多くのフィリピン人にとって重要な意味を持ちます。

ミサの後は、伝統的な「ビビンカ（甘い米粉ケーキ）」や「プト・ブンボン（甘い餅菓子）」が振る舞われ、地域コミュニティの交流の場ともなっています。

観光客も参加することはできますが、宗教的な行事であるため、振る舞いや服装には注意が必要です。

パスコ（クリスマス）

フィリピンではクリスマスのことを「パスコ（Pasko）」と言います。パスコとはスペイン語の「パスクワ（Pascua）」から来ており、本来は復活祭（イースター）を意味する言葉です。

フィリピンでは、カトリック教徒が多いため、クリスマスが大規模に祝われます。街中が装飾され、多くのイベントが開催されます。パロル（Parol）と呼ばれる、星型のランプが象徴的です。

9月には街中でクリスマスソングが流れ始め、1月6日のエピファニー（公現祭）までクリスマスシーズンが続きます。

クリスマスイブには「ノチェ・ブエナ（Noche Buena）」と呼ばれる家族が集まり豪華な食事を楽しむ習慣があります。「レチョン（豚の丸焼き）」「ケソデボーラ（チーズ）」「ビビンカ（甘い米粉ケーキ）」などがあります。

観光客は、各地のクリスマスセールや、幻想的なイルミネーションを楽しむことができます。ただし、宗教的な側面が強いので、地元の習慣や伝統は尊重するようにしましょう。また、クリスマスシーズンは人出が多くなるので、宿泊施設や交通手段の予約は、早めに行なうことをおすすめします。

リサール・デー

12月30日の「リサール・デー（Rizal Day）」は、フィリピンの国民的英雄ホセ・リサールの死を追悼し、偉業を称えるための記念日です。

ホセ・リサールは、フィリピン独立運動の主要な人物で、スペイン植民地政府に対する平和的な改革を主張しました。1986年に反逆罪で処刑されましたが、その死はフィリピン独立運動の象徴的な出来事となりました。

全国で式典が行われますが、特にマニラにあるリサール公園での式典が有名です。

観光客にとっては、フィリピンの歴史と文化に触れる良い機会となります。フィリピンの歴史上、とても重要な意味をもつので、現地の文化や慣習を尊重することが重要です。

1月のイベント

1月のフィリピンで開催される、おすすめのイベントを3つご紹介します。

シヌログ祭り

「シヌログ祭り（Sinulog Festival）」は、セブ市で毎年1月の第三日曜日に開催される、フィリピン最大の祭りの一つです。

シヌログ祭りは、フィリピンにキリスト教がもたらされた歴史を祝うもので、特に幼少イエス「聖ニーニョ（Santo Niño）」への敬意を表します。

カラフルな衣装を身にまとったダンサーが、ドラムやトランペットのリズムに合わせて、街中をパレードします。

祭りの期間中は、セブ市の様々な場所でパーティが開催され、伝統的なフィリピン料理やセブの名物料理を楽しむことができます。

シヌログ祭りは大変混雑するので、観光で訪れる場合は、事前に計画を立てて、必要や予約をしておくことが重要です。

アティ・アティハン祭り

「アティ・アティハン祭り（Ati-Atihan Festival）」は、カランボアで毎年1月の第三週に開催される伝統的な祭りです。

この祭りは、フィリピンの先住民アティ族とマレー族の交流を記念して始まりました。キリスト教の伝来と聖ニーニョへの信仰を祝う側面もあります。

アティ・アティハン祭りは、参加者が顔や体を黒く塗り、カラフルな伝統的な民族衣装とアクセサリーを身に着け、太古のリズムに合わせて踊るパレードが特徴です。

観光客もダンスに参加したり、ミサやプロセッションなどの宗教的な側面を体験したりすることができます。

ディナギャン祭り

「ディナギャン祭り（Dinagyang Festival）」は、イロイロ市で毎年1月第四週末に開催される祭りです。

ディナギャン祭りは、フィリピンの先住民族の文化と、聖ニーニョへの信仰を祝うイベントとして始まりました。

この祭りは、華やかな衣装とダンスが特徴的で、フィリピンの歴史や文化を象徴する複雑な振り付けとストーリーテリングで構成されています。

2月のイベント

2月のフィリピンで開催される、おすすめのイベントを3つご紹介します。

パナグベンガ祭り

「パナグベンガ祭り（Panagbenga Festival）」は、バギオ市で毎年2月に行われる花の祭りです。

「パナグベンガ」とはカンカナイ族の言葉で「花の季節」という意味です。この祭りは1991年の地震後にバギオ市の復興を祝うために始まりました。

目玉は「フロート」と呼ばれる巨大な花のパレード車。そして現地に行かなければ分からないのが、その香りです。

この期間のバギオ市は、色とりどりの花々でいっぱいになります。メインストリートは歩行者天国となり、地元の手工芸品や食べ物の露天が並びます。

パナグベンガ祭りはとても人気が高く、混雑します。またフィリピンとしては少し涼しめの気候なので、適切な服装を準備しましょう。

旧正月

「旧正月（春節、Chinese New Year）」は、華人コミュニティが多い地域で盛大に祝われる文化的イベントです。春節は旧暦に基づいているので、毎年日付が異なりますが、通常は1月～2月に祝われます。

フィリピンには長い歴史を通じて形成された、大きな華人コミュニティが存在し、各地で様々なイベントが開催されます。その中でも、特にマニラのビノンド地区のイベントが有名です。

新年を迎える深夜には花火が打ち上げられ、繁栄と幸運を願う伝統的な儀式が行われます。中国の伝統的な食品や商品を扱うストリートフェアが開催され、華麗な衣装を身にまとったダンサー達のパフォーマンスも楽しめます。

フィリピン国際気球フェスティバル

「フィリピン国際気球フェスティバル（Philippine International Hot Air Balloon Fiesta）」は、通常ルソン島のパンパンガ州クラークフリーポートゾーンで開催される、熱気球のイベントです。開催時期は年によって異なりますが、基本的には2月中旬から下旬にかけて行われます。

フェスティバルでは、様々な色や形の熱気球が空に浮かび上がります。合わせてパラグライダーやスカイビングなど、様々な航空関連のアクティビティが楽しめます。一部の熱気球では、予約をして、実際に乗ることもできます。

特に家族連れには人気のイベントです。早朝から開催されるため、肌寒くなることがあるので、服装には注意が必要です。

まとめ フィリピンに雪は降るか

記事の内容をまとめます。

• フィリピンを含め、東南アジアでは雪は降らない
• フィリピンの気温は1年を通して26～28℃で安定している
• フィリピンに四季はなく「乾季」と「雨季」に別れている
• 日本の冬にあたる12月～2月は、乾季で雨が少なく、気温も低めなので、泳ぐのに最適
• 冬のフィリピンは、現地文化・スペイン文化・キリスト教文化が融合した、様々な魅力的なイベントが開催される
• 12月のフィリピンでおすすめのイベントは「シンバン・ガビ」「パスコ（クリスマス）」「リサール・デー」
• 1月のフィリピンでおすすめのイベントは「シヌログ祭り」「アティ・アティハン祭り」「ディナギャン祭り」
• 2月のフィリピンでおすすめのイベントは「パナグベンガ祭り」「旧正月」「フィリピン国際気球フェスティバル」

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