ベビーカーを利用している時、タクシーを呼びたいけれど、入るか入らないか心配になるかもしれません。この記事では、ベビーカーを畳んでトランクに入れる場合と、畳まずにそのまま載せる場合、ベビーカーに対応したタクシーの予約方法について解説しています。また子育てタクシー、キッズタクシーのようなサービス、チャイルドシートを利用する場合の注意点についても解説しています。
ポイント
- ベビーカーのサイズと、トランクに入るかどうか
- ベビーカーを畳まずにそのまま載せることができるタクシー
- ベビーカーに対応したタクシーのマークについて
- ベビーカーが入るタクシーの予約方法
ベビーカーに対応したタクシーとは
ベビーカーの一般的なサイズと、ベビーカーがトランクに入るタクシーの車種、ベビーカーをたたまずにそのままタクシーに載せる場合の注意点、ベビーカーに対応したタクシーのマークについて解説します。
ベビーカーのサイズ
ベビーカーの一般的なサイズをご紹介します。
ベビーカーにはA型とB型があります。A型は寝かせた状態でも使えるタイプ、B型は座らせた状態で使うタイプです。
A型の方が大型で重く、コンパクトに畳むことができません。
B型は小型で軽く、小さく折りたたむことができます。ただし畳んだ時の高さは商品によって幅があります。
これはあくまでも平均的な値なので、詳細はメーカーのスペック表をご確認ください。
ベビーカーの種類 | 幅(cm) | 奥行き(cm) | 高さ(cm) | |
---|---|---|---|---|
A型 | 展開時 | 60 | 100 | 110 |
折り畳み時 | 60 | 50 | 90 | |
B型 | 展開時 | 50 | 90 | 100 |
折り畳み時 | 50 | 40 | 60~90 |
タクシーのトランクにベビーカーは入る?
ベビーカーは、畳んでトランクに載せるのが基本となります。車内に入れると、窓に傷をつけたり、汚してしまったりする可能性があるためです。
B型であれば、ほとんどの車種のトランクに入ると思われますが、A型は車種によっては入らない可能性があります。
そのため、タクシーを呼ぶ際には「ミニバン」「ワゴン」または「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」を指定するとよいでしょう。
ジャパンタクシーは、車椅子も乗降できるように設計された「ユニバーサルデザインタクシー」です。ジャパンタクシーであれば、トランクではなく、車内にそのまま載せる可能性が高いでしょう。
車種の違いについては、下記の記事をご参照ください。
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タクシーでベビーカーをたたまないでそのまま乗るには?
ベビーカーをトランクに入れるのではなく、畳まずにそのまま乗りたいのであれば、上記のように「ジャパンタクシー」または「ユニバーサルデザインタクシー」を予約すると良いです。
ユニバーサルデザインタクシーは、スライドドアやスロープがついており、車椅子が乗降できるようになっているので、ベビーカーもそのまま乗せることができます。
ただし、ベビーカーを乗せることができるというだけで、赤ちゃんをそのまま座らせておくことは危険です。
大人がシートベルトを締めた後に、スリングや抱っこ紐を使って抱き抱えるようにしましょう。赤ちゃんごとシートベルトで締めるのは、急ブレーキ等で強い衝撃がかかるために危険です。
ベビーカーに対応したタクシーのマークはある?
タクシーとベビーカーに関連したマークとして「ベビーカーマーク」と「UDタクシーマーク」があります。それぞれについて解説します。
ベビーカーマーク
ベビーカーマークは、ベビーカーが安心して利用できる場所や設備につけられるマークです。
エレベーター、鉄道、バスなどに使用されます。タクシーには後述のUDタクシーマークの方が使われています。
反対に、ベビーカーの使用を禁止するマークもあります。
UDタクシーマーク(2012年)
「ユニバーサルデザインタクシー」とは、平成24年(2012年)より開始された、バリアフリー対応車両の認定制度です。
スロープ、手すり、スペースなど、国が定めた基準をクリアすることで、車体にマークを表示することができます。
4種類のマークがあります。下にいくほど高い水準のものとなります。
バリアフリー型乗合タクシー
ある程度ガイドラインに従った車両につけられるマークです。
UDタクシー
認定は受けていないが、スロープやリフトを備えた車両につけられるマークです。
UDタクシー レベル1
ユニバーサルデザインタクシー認定制度の、レベル1認定を受けた車両につけられるマークです。
UDタクシー レベル2
ユニバーサルデザイン認定制度の、レベル2認定を受けた車両につけられるマークです。
UDタクシーマークがついた車両
実際のところ、レベル2認定を受けた車種は一つもなく、レベル1認定を受けたのは、下記の3つのみのようです。
- 日産 NV200バネットタクシー
- 日産 セレナ
- トヨタ ジャパンタクシー
標準仕様ユニバーサルデザインタクシーの認定制度を創設します(国土交通省:平成24年3月28日)
UDタクシーマーク(2020年)
令和2年(2020年)に、スロープの耐荷重基準が200Kgから300Kgに引き上げられました。
それに伴い、新しいピンク色のマークができました。
UDタクシー レベル1
ユニバーサルデザインタクシー認定制度の、レベル1認定を受けた車両につけられるマークです。
UDタクシー レベル2
ユニバーサルデザインタクシー認定制度の、レベル2認定を受けた車両につけられるマークです。
UDタクシーマークがついた車両
2012年と同じで、レベル2認定を受けた車種はありません。レベル1認定を受けたのは下記の2つとなります。
- 日産 NV200バネットタクシー
- トヨタ ジャパンタクシー
「NV200バネット」は2021年に生産終了となっていますので、現在生産されているユニバーサルデザインタクシーは「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」のみということになります。
ユニバーサルデザインタクシーがより使いやすくなります!~標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領を改正~(国土交通省:令和2年3月31日)
ベビーカーに対応したタクシーを予約するには
ベビーカーが入るサイズのタクシーを指定して予約する方法と、子育て支援サービスの「子育てタクシー」「キッズタクシー」、タクシーでチャイルドシートを利用する場合について解説します。
ベビーカーが入るタクシーの予約方法
タクシーを予約する方法としては、次の4つがあります。
タクシー乗り場、流しのタクシー
予約ではありませんが、街中を走るタクシーを手を上げて呼び止める方法です。一番手っ取り早いと言えます。
ベビーカーに対応しているかは分かりませんが、B型であれば、たいていトランクに積むことができます。
また最近は「ジャパンタクシー」が増えているので、そこそこ現実的な方法でもあります。
タクシー配車アプリを利用する
タクシー配車アプリの中には、車種を指定できるものがあります。
ここで、ベビーカー対応という指定はできませんが、「ミニバン」「ワゴン」「ジャパンタクシー」等から選ぶことができるようになっています。一番確実なのは「ジャパンタクシー」でしょう。
現在のところ、下記のアプリはジャパンタクシー指定に対応しています。
- GO
- S.RIDE
タクシー会社に電話をする
近くのタクシー会社に電話をすれば、細かな条件を伝えることができ、お互いに確認もできるので、安心です。
大手のタクシー会社であれば、大型のタクシーや、ユニバーサルデザインに対応したタクシーを保持しています。個人タクシーの場合は、選択肢がないかもしれません。
また後述しますが、「子育てタクシー」「キッズタクシー」などのサービスが用意されていることもあります。
タクシー会社のWebサイトで予約する
大手のタクシー会社は、Webサイトからの予約も受け付けています。
内容は会社によりますが、会員登録することによって、便利なサービスを利用できることが多いです。
子育てタクシーとは
「子育てタクシー」は、「一般社団法人全国子育てタクシー協会」が推進する、妊娠中や育児中の方向けのタクシーサービスです。
認定を受けた優良タクシー会社で、特別講座と実習を修了したドライバーのみによって運営されています。
以下の4つのサービスがあります。
- かんがるーコース:荷物が多い子連れの外出をサポート
- ひよこコース:通園・通学など、子ども一人の移動をサポート
- こうのとりコース:出産予定日を登録しておき、陣痛が来たら即病院へ移動
- ふくろうコース:夜間の急な発熱など、突発的なトラブルに対応
ベビーカー利用ということで考えれば「かんがるーコース」が基本となります。
子育てタクシーを利用するには、全国の対応しているタクシー会社に直接問い合わせる必要があります。
例えば東京では、「日の丸交通株式会社」が対応しています。
キッズタクシーとは
「キッズタクシー」とは、日本交通株式会社が提供する、お子様をドアtoドアで送迎するサービスです。
ベビーカーを利用するということとは少し異なりますが、育児をサポートするという趣旨なので、覚えておいて損はないでしょう。
また日本交通以外のタクシー会社も、似たような名前で、類似サービスを提供していることがあります。
タクシーでチャイルドシートを使いたい場合は?
6歳未満の子どもを車に乗せる時は、チャイルドシートを着用することが義務付けられています。
しかし、タクシーやバスはその義務が免除されています。
ですから法律上はチャイルドシートは不要ということになりますが、そもそもチャイルドシートは安全のためのものなので、できれば着用した方が良いでしょう。
タクシーでチャイルドシートを使用するならば、自分で用意するか、タクシー会社に用意してもらうかの選択肢があります。
自分で用意する場合
チャイルドシートを自分で用意するならば、「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」のような、スペースが広めの車種を選ぶとよいでしょう。
「GO」や「S.RIDE」のような、車種を指定できるタクシー配車アプリを利用すると便利です。
タクシー会社に用意してもらう場合
タクシー会社にチャイルドシートを用意してもらう場合は、配車アプリでは対応していませんので、電話で直接相談してみましょう。
上記の「子育てタクシー」や「キッズタクシー」はチャイルドシートにも対応しています。
まとめ タクシーにベビーカーを乗せるには
記事の内容をまとめます。
- ベビーカーにはA型とB型があり、A型の方が大きい
- ベビーカーを畳めば、B型はたいていの車のトランクに入るが、A型は入らない可能性がある
- ベビーカーをタクシーに載せるには、畳んでトランクに入れるのが基本
- ユニバーサルデザインタクシーならば、ベビーカーをたたまずにそのまま載せられる
- ベビーカーをそのままタクシーに載せる場合でも、子どもはベビーカーに座らせず、抱きかかえる
- ユニバーサルデザインタクシーの代表車種は「ジャパンタクシー」
- ユニバーサルデザインタクシーには、UDTAXIマークがついている
- ジャパンタクシーは、タクシー配車アプリで指定して予約することができる
- 大手タクシー会社はジャパンタクシーを保持しているので、電話やWebで予約することができる
- 妊娠中や育児中の方向けのタクシーサービスとして「子育てタクシー」や「キッズタクシー」がある
- チャイルドシートをタクシー会社に用意してもらう場合は、電話等で事前に確認する