IWCとゼニスはどっちがおすすめ?様々な面から徹底比較!

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IWCとゼニスはどっちがおすすめ?様々な面から徹底比較!

2024年2月9日

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IWCとゼニスは、どちらもスイスを代表する高級時計ブランドですが、似ているところもあれば、正反対のところもあり、比較すると両社の特徴が際立ちます。この記事では、IWCとゼニスについて、創業、デザイン、技術など、様々な面から詳しく比較しています。時計を選ぶ際、自分にはどちらが似合うかの参考になれば幸いです。

ポイント

  • 創業地・創業理念の違い
  • デザインや技術の違い
  • 代表的なシリーズ
  • 買うならどっちがおすすめ

IWCとゼニスはどっちが凄い?

IWCとゼニスについて、それぞれの概要、創業地の違い、理念の違い、社名に込められた思い、所属グループ、デザインの方向性、象徴的な技術・サポート体制について解説します。

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ
IWC ポルトギーゼ クロノグラフ
IW371617
画像引用:https://www.iwc.com/

概要

IWCとゼニスの概要についてご紹介します。

IWCとは

IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)」とは、スイスの高級時計メーカーです。

日本では「インター」と略されることもありますが、「アイ・ダブリュ・シー」や「アイ・ダブリュ・シー・シャフハウゼン」と言われることが多いです。「国際捕鯨委員会(International Whaling Commission)」とは何の関係もありません。

IWCは、1868年にアメリカ人の「フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ(Florentine Ariosto Jones)」によって、スイスのシャフハウゼンで設立されました。ジョーンズは、アメリカの先進的な製造技術と、スイスの伝統的手工芸を組み合わせることで、高品質な時計を量産するこうとを目指しました。

「質実剛健」というブランドイメージを確立しており、スイスの高級時計ブランドの中では、特異な存在となっています。

ゼニスとは

ゼニス(ZENITH)」とは、スイスの高級時計メーカーです。

日本では昭和初期には「ゼニット」と呼ばれていました。

ゼニスは、1865年にジョルジュ・ファーブル=ジャコがによって、スイスのル・ロックルで設立されました。

一つ一つ丁寧に仕上げられた時計は、伝統的かつ時代を超越する洗練さを兼ね備えています。

創業地と理念の違い

IWCとゼニスは、ともにスイスで創業された時計メーカーですが、その創業地の違いはブランドの方向性にも表れています。

IWC:シャフハウゼン

IWCの創業地は「シャフハウゼン(Schaffhausen)」です。

シャフハウゼンは、スイス北東部に位置し、ドイツとの国境近くにあります。ライン川に面しており、水力発電所もあったため、工業発展のための理想的な土地として栄えていました。

IWCはアメリカの製造技術とスイスの手工芸を組み合わせることを目指しましたが、そこにドイツの工業技術も加わっていると言えます。

ブランドロゴにも「SCHAFFHAUSEN」の文字があり、この土地を代表する信念が表れています。

シャフハウゼンの街並み
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ゼニス:ル・ロックル

ゼニスの創業地は「ル・ロックル(Le Locle)」です。

ル・ロックルは、スイスのジュラ山脈に位置する小さな町で、数世紀にわたりスイスの時計製造の中心地として栄えています。隣町の「ラ・ショー=ド=フォン(La Chaux-de-Fonds)」と共に、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

スイスの時計製造は、ムーブメントの開発や組み立て作業などを分業する体制が基本でしたが、ゼニスは自社一貫生産にこだわり、職人を自社に集約させ、マニュファクチュール体制をいち早く確立させました。

ル・ロックルの街並み

社名の違い

IWCとゼニスの方向性は、社名からも読み取ることができます。

IWC:国際的

IWCはスイスで創業されましたが、スイスには「ドイツ語(63%)」「フランス語(23%)」「イタリア語(8%)」「ロマンシュ語(0.5%)」と、4つも公用語があります。

その地において「International Watch Company(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)」という英語の社名がつけられたのは、創業者がアメリカ人であったということもありますが、最初から国際展開するビジョンを持っていたためと言われています。

スイス、ドイツ、アメリカの良いところを組み合わせ、競争力を高め、国際的なブランド基盤を築き上げました。

ゼニス:最高峰

ジョルジュ・ファーブル=ジャコが1865年に創業した時の社名は「Manufacture de montres」で、フランス語で「時計製造会社」を意味します。

社名変更のきっかけとなったのは、1900年のパリ万博です。ここで出品した懐中時計が金賞を受賞し、「Manufacture de montres」社にとっては初めての賞となりました。

この懐中時計のムーブメントが「ゼニス(ZENITH)」という名前だったため、1911年に社名もゼニスに変更されました。

「ゼニス(ZENITH)」とは、アラビア語を起源とする天文学の用語で、「天頂」を意味します。そこから転じて、何かの分野の「最高峰」を意味する言葉となりました。

社名に込められた「ゼニス」は、時計製造の技術と精度の最高峰を追求するブランドの方向性を象徴しています。

グループの違い

IWCとゼニスは、それぞれ巨大なファッショングループに所属していますが、グループの方向性がブランドイメージにも影響を与えています。

IWC:リシュモン

IWCは、2000年からリシュモン(Richemont)グループの傘下となりました。

リシュモンは、スイスを本拠地とする、宝飾品や時計などのラグジュアリーブランドの企業グループです。IWCの他、「カルティエ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」「パネライ」「ジャガー・ルクルト」など、名だたる時計ブランドが所属しています。

リシュモンの時計部門は、伝統的な時計製造に根ざしたアプローチを取り、歴史とクラフトマンシップを強調しています。伝統とエレガンスを重んじる顧客層をターゲットにしています。

ゼニス:LVMH

ゼニスは、1999年からLVMHグループの傘下となりました。

LVMHは、フランスを本拠地とする、世界最大の高級品グループです。「ルイ・ヴィトン」「ディオール」「フェンディ」など、ファッションと革製品で特に知られています。また、ワインや香水、化粧品などにおいても強力なブランド力を持っています。時計ブランドでは「タグ・ホイヤー」や「ウブロ」などが所属しています。

LVMHの時計部門は、ファッションとライフスタイルを重視したブランド戦略を持ち、革新性とモダンなデザインを強調しており、トレンドに敏感な顧客層をターゲットにしています。

デザインの違い

IWCとゼニスは、どちらも上品で洗練されたデザインをしていますが、方向性は異なります。

IWC:質実剛健

IWCのデザインは、ドイツ文化の影響を受けた「質実剛健」が特徴です。

他のスイスブランドにあるような、貴金属を散りばめた派手さはありませんが、洗練された気品と存在感を備えています。

それでいて、モデルチェンジを繰り返し、幅広いデザインの商品を取り揃えているという魅力もあります。

ゼニス:大胆かつ上品

ゼニスというと、高精度のムーブメントで有名ですが、個性的かつ上品なデザインでも知られています。

伝統的なエレガントさを基本としつつも、チタンやセラミックなどの素材を組み合わせたり、オープンワークと言われる中の機構が見えるような大胆なデザインも採用したりと、革新的な面もあります。

これにより、様々なシーンにマッチしつつも、独特な存在感を発揮するデザインとなっています。

技術・サポートの違い

IWCとゼニスは、どちらも高品質であることが知られており、ブランドの歴史や体制にもそれが表れています。

IWC:永久修理

時計業界では、時計の精度を証明する規格としてスイス公認の「クロノメーター」がよく知られています。IWCはクロノメーターには参加せずに、さらに厳しい自社規格を設けることで、その品質を約束しています。

またIWCでは、永久修理を掲げています。通常、時計メーカーが修理用の部品を保管しているのは5~10年で、それ以上は修理受付が不可となります。長いとされるロレックスでも40年を過ぎれば厳しくなります。IWCは、1868年の創業以来、全ての時計の修理を継続して受付けています。

ゼニス:エル・プリメロ

ゼニスは、自社一貫生産のマニュファクチュール体制をいち早く整えたことから、元祖マニュファクチュールメーカーと言われています。600以上のムーブメントを開発し、2000以上の賞を受賞していることからも、技術力の高さを知ることができます。

その中でも、ゼニスが1969年に発表したムーブメント「エル・プリメロ(El Primero)」は、歴史的傑作ムーブメントと言われています。しかし1969年は、セイコーがクォーツ式時計を発表した年で、機械式時計にとっては苦難の期間となりました。エル・プリメロも製造中止となっていましたが、1984年に復活を果たしました。

エル・プリメロは、毎時36,000回の高速振動を誇る自動巻きクロノグラフです。他の多くの自動巻きムーブメントは28,800振動です。振動数が多いと精度が高くなりますが、部品の耐久性が低くなります。エル・プリメロは、特別な潤滑油を使用することで耐久性の問題をクリアし、クロノグラフ機能も10分の1秒まで計測できるようになりました。

エル・プリメロは、同じくマニュファクチュールであったロレックスが唯一採用した社外製ムーブメントであることからも、その品質を世界が認めることとなりました。

流石に現在の最新ムーブメントの性能には劣りますが、ゼニス(天頂)の名に相応しい古典的名機として知られています。

IWCとゼニス 買うならどっち?

IWCとゼニスについて、代表的なコレクション、ブランドの格付け、つけてる人のイメージ、資産価値についてご紹介します。

ZENITH デファイ エクストリーム ミラー
ZENITH デファイ エクストリーム ミラー
03.9102.9004/90.I001
画像引用:https://www.zenith-watches.com/

代表的モデル

IWCとゼニスの代表的なコレクション・シリーズをご紹介します。

IWC

IWCは「ポルトギーゼ」と「パイロットウォッチ」が特に有名です。

ポルトギーゼ(PORTUGIESER)

大きなケースと薄いベゼルが特徴のドレスウォッチです。

1930年代に、ポルトガル商人から依頼された、航海中に使用できる高精度の時計がルーツとされています。

安定性を保つために大型となり、最初は人気が出ませんでしたが、徐々にIWCを代表するモデルとして定着しました。

パイロットウォッチ(PILOT'S WATCH)

耐磁性と視認性を重視し、無駄を省いたデザインが特徴のパイロットウォッチです。

パイロットウォッチは一般名称ですが、それがIWCのシリーズ名として定着しているのは、航空業界内での評価が高かったことを証明しています。

アクアタイマー(AQUATIMER)

シンプルなデザインのダイバーズウォッチです。

反時計回りにしか回転しないベゼルなど、ダイバーズウォッチとしての機能を持ちつつ、フォーマルなデザインを保っていることが特徴です。

1967年に初代が発売されて以降、様々なデザインが発表されていますが、シンプルさは失われていません。

ポートフィノ(PORTOFINO)

「ポートフィノ」とはイタリアの港町の名前で、懐中時計を思わせるクラシカルなデザインが特徴のドレスウォッチです。

IWCの中では低価格ながらも、上品感溢れるシリーズとなっています。

ゼニス

ゼニスは「デファイ」と「クロノマスター」が特に有名です。

デファイ(Defy)

デファイは、機構が全て見えるフルオープンの文字盤と、セラミックやチタンなどの素材を組み合わせた、未来的なデザインが特徴のコレクションです。

クロノマスター(Chronomaster)

クロノマスターは、高性能ムーブメントのエル・プリメロを搭載したシリーズです。

3つのインダイヤルを基本としつつ、様々なデザインが展開されています。

パイロット(Pilot)

パイロットは、エル・プリメロを搭載しつつ、レトロ感のあるデザインが特徴のシリーズです。

エリート(Elite)

エリートは、シンプルでミニマルなデザインが特徴のドレスウォッチです。

格付け

高級ブランドの格付けは、主観的なものであり、決まったランキングがあるわけではありません。ブランドの歴史、技術革新、デザイン、市場価値などによって決まります。

IWC:中の上

IWCは、その精密なエンジニアリングと高品質な製造プロセスで知られています。パイロットウォッチやポルトギーゼシリーズなど、特定のコレクションは特に高く評価されており、中堅から上位の高級ブランドと見なされることが多いです。IWCの時計は、技術的な優れた点と洗練されたデザインにより、時計愛好家やコレクターから高い評価を受けています。

ゼニス:中の上

ゼニスは、特にその革新的なムーブメント「エル・プリメロ」で知られています。この高周波クロノグラフムーブメントは、1969年に発表されて以来、時計業界で非常に評価されています。ゼニスは、技術的な革新性と歴史的な遺産を持つブランドとして、中堅から上位の高級ブランドのカテゴリーに位置づけられることが多いです。

同ランクのブランド

IWCやゼニスと同ランクとして見られることの多いブランドとしては、下記のようなものがあります。

  • ジャガー・ルクルト
  • オメガ
  • パネライ
  • タグ・ホイヤー

つけてる人のイメージ

IWCとゼニスは、ロレックスのように一般的に広く知られたブランドではありませんが、時計好きからは愛されています。

IWC:堅実

IWCは、幅広いデザインを展開していることもあり、特定の客層ということもなく、時計初心者から上級者まで、幅広く支持されています。自分にぴったりの一本を探すことが楽しみと言えるでしょう。

永久修理をうたっているため、世代を超えて愛用できる点も見逃せません。

派手なブランドではないので、純粋な時計好きから支持されています。

ゼニス:隠れた個性

ゼニスは、高性能なムーブメントを搭載しつつ、少しクセのあるデザインが特徴です。

そのため、機械式時計にこだわりがあったり、ファッションスタイルに敏感であったりと、個性的で自分のスタイルを確立している方から支持されています。

資産価値

IWCとゼニスは、高級時計ブランドの中では標準的な資産価値を持っています。機械式時計全体の人気と連動していると言えるでしょう。

IWC:安定

IWCのリセールバリューは40~50%程度です。一般的な高級時計ブランドと同等と言えるでしょう。

流行に左右されない普遍的なデザインが多いので、価値も安定しています。

特に「ポルトギーゼ」や「パイロットウォッチ」の人気が高いです。

ゼニス:並行輸入がお得

ゼニスのリセールバリューは30~60%程度と幅が大きいです。これは、正規店で購入するよりも並行輸入の方が安くなるので、相対的にリセールバリューも高くなるためです。

特に初期のエル・プリメロを搭載した「クロノマスター」の人気が高いです。

まとめ IWCとゼニスはどっちがいい?

記事の内容を表にまとめます。

項目IWCゼニス
創業年18681865
創業国スイススイス
創業地シャフハウゼンル・ロックル
ブランドイメージ質実剛健高品質かつ大胆
グループリシュモンLVMH
格付け中の上中の上
つけてる人のイメージ上品で時計好き上品で個性的
リセールバリュー40~50%30~60%

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