ロマネコンティは、世界で最も値段が高いワインの一つです。その希少性と品質の高さから、ワイン愛好家の憧れである一方、富裕層のステータスや投機の対象ともなっていて、価格が高騰しています。そのような背景から、偽物も多く出回っています。この記事では、ロマネコンティの概要や、価格の違いについて解説します。
ポイント
- ロマネコンティの価格が高い理由
- ロマネコンティの熟成期間とその影響
- ロマネコンティの当たり年とその影響
- ロマネコンティの購入方法と注意点
ロマネコンティはなぜ高い?安いやつないの?
ロマネコンティとは
ロマネコンティ(Romanée-conti)とは、フランスのブルゴーニュ地方、ヴォーヌ=ロマネ村にあるワイン畑の名前であり、そこで作られる赤ワインの名前でもあります。
ロマネコンティは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(DRC)社が単独所有している、特級の畑です。約1.8ヘクタールで、サッカーコート2.5面分くらいしかありません。その気候と土壌は、ブドウの栽培に極めて適していると言われています。
平均で年間6,000本程度しか生産されません。その年の状況によって、4,000~7,000本程度の振れ幅があります。
ロマネコンティは、その希少性と品質の高さから、世界で最も値段が高いワインの一つとされています。近年は、富裕層のステータスや、投機の対象ともなっているため、さらに値が上がっている傾向にあります。
そのため半ば伝説となっており、実際に飲んだ人は少ないが、語る人はとても多いと言われています。
ロマネコンティは1本いくら?
ロマネコンティの価格は、その年の生産量と、ワインの質によって変わってきます。
そもそも、ロマネコンティがなぜ高いかというと、生産量が少ないからです。毎年6,000本程度しか作られません。もっと少なくなる年もありますし、1945年にいたっては600本しか生産されていません。
現在のところ、1本あたり200~500万円程度で取引されているようです。
年代によっては、100万円を切ることもありますが、昔に比べてワイン自体の価格が上がっていますので、なかなか難しいようです。
ロマネコンティは1杯いくら?
ワインのボトルは1本750mlです。これをグラスで6~8杯に分けるのが一般的です。
例えば、300万円のロマネコンティがあったとして、6杯に分けたとすると、1杯あたり50万円となります。さらに、グラス1杯を5口で飲んだとすると、1口あたり10万円となります。
もちろん、もともとのロマネコンティの値段によって変わってきます。
ロマネコンティの最高額は?
ロマネコンティの最高額は、1945年のジェロボアムサイズで、10億円以上すると言われています。
通常ワインは750mlですが、ジェロボアムは3,000mlサイズです。ワインのボトルが大きくなると、熟成の進行が緩やかになり、また澱と触れる面積が広くなるので、より複雑な風味になると言われています。
ロマネコンティは、毎年6,000本ほど生産されますが、1945年は600本しか生産されていません。しかもジェロボアムとなると、数本しかなかったようです。
現存する1945年のジェロボアムは1本のみと言われています。
ロマネコンティの最安値は?
ロマネコンティは、安いものだと、オークションサイト等で20万円程から出回っています。
ロマネコンティの値段が高いのは、希少性によるものですが、近年はそれが投機対象となり、値段がつり上がっています。そうなると、偽物が多く出回るようになるわけです。
プロのバイヤーも偽物に悩まされる世界ですから、個人相手の取引では、正規品かどうかを判断するのは難しくなります。あまりに安いのは考えものと言いたいところですが、そもそもロマネコンティには定価というものがなく、適正価格がいくらなのかを判断する基準がありません。ワインのボトル1本の値段が、年代や熟成期間によって、数十万円~数億円まで変わります。何をもって適正価格と言えるのか、もはや分かりません。個人でできることとしては、信頼できるルートから購入する、くらいしかないでしょう。
ロマネコンティの熟成期間は?
ワインには「早飲み」タイプと、「熟成」タイプがあります。市場のワインの8割は早飲みタイプと言われています。一般的に、ロマネコンティのような高級ワインは、熟成タイプとなります。
ロマネコンティの熟成期間は、リリースしてから10~30年以上と言われており、とても長い時間が必要となります。
つまり、長く保管すればするほど値が高くなっていくため、優秀な投機対象となるわけです。その一方で、偽物も多く出回ることになります。ラベルだけで本物かどうかを判断することは難しく、また飲んだところで、違いが分かるようなものでもありません。そのため、自分が納得できるかどうかでしかなく、信じる者は救われる、の世界かもしれません。
ロマネコンティの安いやつって大丈夫?
ロマネコンティの味は?
ロマネコンティは、赤ワインの最高峰の一つであるので、それを飲むことはワイン愛好家の夢とされています。
しかしその味は、「美味しい」「不味い」というものでもなく、特別な「体験」だと言われいます。
ロマネコンティは、熟成期間の長い「古酒」です。古酒は、一般的なワインのような、フレッシュな風味やコクはありません。ただゆっくりとした余韻があるのみです。それを「完全な球体」と表現する人もいます。味ではなく、香り。「ワインの香水」と表現する人もいます。
その複雑な余韻をゆっくり楽しむ。それがロマネコンティの魅力と言われています。
ロマネコンティは何年ものがおすすめ?当たり年は?
年 | 評価(5が一番良い) |
---|---|
1960 | 1 |
1961 | 4 |
1962 | 5 |
1963 | 2 |
1964 | 3 |
1965 | 1 |
1966 | 4 |
1967 | 3 |
1968 | 2 |
1969 | 5 |
1970 | 3 |
1971 | 4 |
1972 | 3 |
1973 | 2 |
1974 | 3 |
1975 | 1 |
1976 | 4 |
1977 | 3 |
1978 | 4 |
1979 | 3 |
1980 | 3 |
1981 | 3 |
1982 | 4 |
1983 | 4 |
1984 | 2 |
1985 | 4 |
1986 | 4 |
1987 | 3 |
1988 | 4 |
1989 | 4 |
1990 | 5 |
1991 | 4 |
1992 | 3 |
1993 | 4 |
1994 | 3 |
1995 | 4 |
1996 | 4 |
1997 | 3 |
1998 | 4 |
1999 | 5 |
2000 | 3 |
2001 | 4 |
2002 | 4 |
2003 | 4 |
2004 | 3 |
2005 | 5 |
2006 | 4 |
2007 | 3 |
2008 | 3 |
2009 | 5 |
2010 | 5 |
2011 | 3 |
2012 | 3 |
2013 | 2 |
2014 | 4 |
2015 | 5 |
2016 | 4 |
2017 | 4 |
ロマネコンティの値段は、その年の天候と、収穫状況によってきまります。基本的には、良い天候状況で収穫された年のものがおすすめです。
1962年、1969年、1990年、1999年、2005年、2009年、2010年、2015年は、特に優れているとされています。1945年が高価なのは、ブドウの当たり年ではなく、生産量が極端に少ないためです。
これらの当たり年のロマネコンティは、人気が高く、数百万円から、時に数千万円にもなるほどです。またロマネコンティは、数十年の熟成期間が必要なので、基本的に古いものほど高くなります。
ロマネコンティの購入方法は?
一般の人が、ロマネコンティをワイナリーから直接購入することは難しいでしょう。そのため業者を通じて購入するのですが、正規輸入品と、並行輸入品が存在します。
正規輸入品は、正規代理店がフランスから輸入し、日本で流通させているものです。
並行輸入品は、正規代理店ではない第三者が、フランスやその他海外で流通しているものを購入し、日本に輸入したものです。
またそれらが、オークションサイトやフリマを通じて、個人間で流通しています。
いずれにしろ偽物が多く出回っていますので、できるだけ信頼できる店舗から購入するしかないでしょう。
ロマネコンティの安いやつ、高いやつのまとめ
記事の内容をまとめます。
- ロマネコンティはフランスのブルゴーニュ地方、ヴォーヌ=ロマネ村にあるワイン畑の名前であり、そこで作られる赤ワインの名前でもある
- ロマネコンティは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(DRC)社が単独所有している特級の畑で、約1.8ヘクタールしかない
- 年間6,000本程度しか生産されず、その希少性と品質の高さから、世界で最も値段が高いワインの一つとされている
- ロマネコンティの最高額は、1945年のジェロボアムサイズで、10億円以上すると言われている
- ロマネコンティの最安値は、オークションサイト等で20万円程から出回っている
- ロマネコンティの熟成期間は、リリースしてから10~30年以上必要と言われていて、基本的に古いものほど高くなる
- ロマネコンティの味は、「美味しい」「不味い」というものでもなく、特別な「体験」だと言われている
- ロマネコンティは偽物が多く出回っているため、信頼できる業者を通じて購入することが重要