ブローバは、その歴史と革新性から、特に時計好きから支持されているブランドです。また、日本とも関係が深いです。この記事では、ブローバの特徴と代表的なコレクション、シチズンとの関係について詳しく解説しています。また、日本とアメリカから見た、ブランドイメージの違いについてもご紹介します。
ポイント
- ブローバの概要
- ブローバとシチズン
- 代表的コレクション
- 日本とアメリカの評判の違い
時計ブランドブローバの特徴と評判
ブローバの概要と、シチズンとの関係、代表モデルについて解説します。
ブローバとは
「ブローバ(Bulova)」はアメリカの時計ブランドです。
1875年に宝飾店としてニューヨークで創業され、1911年に時計産業に進出しました。以後、アメリカを代表する時計ブランドとなっています。
常識に囚われない革新的な時計作りで知られており、特に1960年に開発された音叉を使用したムーブメント「アキュトロン」で有名です。
現在は、シチズンウオッチグループに所属しています。
ブローバはどこの国のブランド?
ブローバはアメリカの時計ブランドですが、歴史的に様々な国が関わっています。
創立者の「ジョセフ・ブローバ(Joseph Bulova)」は、チェコ(ボヘミア)からの移民です。
1912年には、スイスに時計工場を設立しています。
1960年に、音叉式腕時計であるアキュトロンを発表しますが、この開発にはスイス出身のドイツ系物理学者が関わっています。
2007年には、日本のシチズンが買収しました。
現在は、シチズンとアメリカで共同開発している時計ブランドとみなされています。
ブローバとシチズンの関係
ブローバがシチズンウオッチグループの傘下となったのは2007年のことですが、両社の関係は1970年から続いています。
ブローバは、1960年に画期的な音叉式時計を発表しますが、1969年にはセイコーがクォーツ式時計を発表します。
これに対応すべく、ブローバとシチズンは、1970年に合併会社ブローバ・シチズンを設立し、音叉式時計の販売を強化します。
しかし、クォーツ式時計の前に敗れ去り、1977年に、ブローバ・シチズンはブローバ社との合併を解消し、シチズン電子に社名変更しました。
その後も両社の協力関係は続き、シチズンウオッチの海外ブランド強化の足がかりとして、2007年の買収に至りました。
代表コレクション
ブローバを代表するモデルについてご紹介します。
アキュトロン
「アキュトロン(Accutron)」は、1960年にブローバが発表した世界初の音叉式時計です。
電池からの電流がコイルに流れ、発生した磁場に永久磁石が反応することで、音叉が振動するという仕組みです。機械式時計のカチカチという音の代わりに、キィーンというハム音がします。
この振動はとても安定しており、アキュトロンでは日差2秒、月差1分という、当時としては驚異的な精度を誇りました。
2020年に、シチズンの別ブランドとして独立しています。現在は、同じシチズングループのミヨタがムーブメントの開発をしているようです。
カーブ
「カーブ(Curv)」は、2016年に発表されたコレクションで、手首にフィットするように、ムーブメント、ケース、文字盤、針、ガラスの全てが曲がっているのが特徴です。
マリンスター
「マリンスター(Marine Star)」は、1970年代に登場した、高い防水性能を備えたコレクションです。
スポーティでありながら、エレガントなデザインが特徴です。
クラシック
「クラシック(Classic)」コレクションには、多種多様な機能、デザインの時計が集められていますが、全体としては、流行に左右されない洗練されたデザインが特徴となっています。
アーカイブス
「アーカイブス(Archives)」は、過去の名作時計を現代風にアレンジして復刻させたモデルのコレクションです。
ブローバの時計の日本とアメリカの評判の違い
ブローバは歴史あるアメリカの時計ブランドでありながら、現在は日本のシチズングループの傘下にあります。そんなブローバの日本とアメリカでのブランドイメージの違いをご紹介します。
日本での評価
日本でのブローバの評判をご紹介します。
革新的
ブローバは、常識に囚われない、様々な革新的な時計を生み出してきたことで知られています。
例えば、以下のようなものがあります。
- 世界初の音叉式時計「アキュトロン」
- 世界初(?)のスケルトンケース
- LEDを使用した前衛的なデザインの「コンピュートロン」
- 自分で歩度調整できる「EFAS」機能
- クォーツ式時計に「スイープ運針」を搭載
- 手首に合うようにケースを曲げた「カーブ」
このような時計のギミックが好きな愛好家から、高い評価を得ています。
コスパが良い
ブローバの時計は、5万~10万円ほどと、手に入りやすい価格帯です。
その上で、技術やデザインは申し分がないため、お手頃感のあるブランドと言えます。
個性を出せる
ブローバは、シチズングループとは言え、正直なところ、日本度のブランドの知名度はそこまで高くありません。
時計に興味がない方は、あえてブローバを選ぼうとうしないでしょう。
また、時計にステータスを求める人ならば、ロレックスやオメガなどのメジャーなブランドを選ぶでしょう。
あえてブローバを選ぶ方は、時計好きの中でも限られてくるので、人と被ることもなく、個性を発揮できます。
アメリカでの評価
アメリカ人にとってのブローバのブランドイメージをご紹介します。
祖父母が持ってた
ブローバは、1875年創業の歴史あるブランドです。
世界最初期のラジオコマーシャル、世界最初のテレビコマーシャルを打った時計ブランドとしても知られています。
そのため、祖父母世代での知名度は高く、「爺ちゃんが持ってた」「婆ちゃんから貰った」など、世代を超えて大切に引き継がれていたりします。
モールウォッチ
ブローバの時計は「モールウォッチ(mall watch)」と、時計マニアから揶揄されることがあります。
モールウォッチとは、ショッピングモールで売っているような時計という意味で、特別感のある高級ブランドではなく、誰でも簡単に手にいれることができる時計という、少し下に見たような言い方です。
ムーンウォッチ対決
もう一つ、ブローバを少し下に見る言い方として、オメガに負けたという話があります。
1960年代に、NASAは宇宙環境で耐えられる時計の選定テストをしており、唯一合格したのがオメガのスピードマスターでした。
そして、1969年のアポロ11号のミッションで、月面着陸に成功した船員達が身につけていたのもスピードマスターだったので、「ムーンウォッチ」の愛称で知られるようになりました。
ブローバはNASAの選定テストに合格しなかったということで、オメガより品質が悪いとみなされることがありますが、この話には裏があります。
確かに腕時計としてはオメガのスピードマスターが採用されましたが、宇宙船内の時計はブローバのアキュトロンが採用されていたのです。これは、無重力空間で機械式時計が正常に動作するか分からなかったため、重力の影響が少ない音叉式が選ばれたという理由です。
また、1971年のアポロ15号には、私物のブローバの腕時計が持ち込まれています。
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シチズンが評価されている
しかしそれも、1960年代、70年代の話です。
現在のブローバの評判はどうかというと、
「ブローバ? いいと思うよ。だってシチズンだし。間違いないね」
という感じの反応です。
ブローバだからではなく、シチズンだから信頼できるというのです。
アメリカ人のシチズンに対する評価は驚くほど高いです。そう考えると、買収は間違いなかったと言えるのでしょう。
ニューヨークで頑張ってる
でも、アメリカのブランドとして誇りはないのか、というところなのですが、努力は認めるという感じです。
現在もニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングに本社を構え、ニューヨーク、そしてアメリカを代表するブランドとして返り咲くべく、活動を続けています。
「でもまぁ、道半ばかな、頑張ってほしいよね」
という感じの評判です。
まとめ 時計ブランドブローバの評判とは
記事の内容をまとめます。
- ブローバは、1875年創業のアメリカの時計ブランド
- ブローバは、2007年にシチズンが買収した
- ブローバは、1960年に発表した音叉式時計「アキュトロン」で特に有名
- 日本でのブローバの評判は、革新的で、コスパが良く、個性を出せる
- アメリカでのブローバの評判は、少しパッとしないけど、シチズンだから信頼できる