ワインセラーを冷蔵庫の代わりに使える?その逆は?

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ワインセラーを冷蔵庫の代わりに使える?その逆は?

2023年7月23日

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ワインセラーと冷蔵庫は、冷却の仕組みは同じですし、見た目もよく似ています。ワインセラーを冷蔵庫の代わりに使えるのではないか、または逆に、冷蔵庫をワインセラーの代わりに使えるのではないか、と思うかもしれません。この記事では、ワインセラーと冷蔵庫の目的と機能の違いを説明し、相互に利用する場合のメリット・デメリットについて解説いたします。

ポイント

  • ワインセラーの目的と種類
  • ワインセラーと冷蔵庫の違い
  • ワインセラーを冷蔵庫として利用する際の注意点
  • 冷蔵庫をワインセラーと利用する際の注意点

ワインセラーを冷蔵庫の代わりに使うことはできるか

ワインセラー

ワインセラーとは

ワインセラー(wine cellar)とは、ワインを最適な状態で保存するための貯蔵庫のことです。地下にある巨大な貯蔵施設から、小型の電気製品まで、様々なタイプがあります。英語では、大きさに応じて「wine cellar」「wine room」「wine closet」「wine cooler」「wine refrigerator」などと呼ばれます。

この記事では主に、電気製品としてのワインセラーについて扱っています。

ワインの品質を維持するたみには、特定の温度と湿度を保つことが重要となります。ワインセラーの内部温度は12℃~14℃、湿度は70%~75%が理想とされています。ワインセラーの中には、細かく温度を調整できるものもあり、ワインの状態にあった管理をすることができます。

また、ワインセラーは振動を最小限に抑える設計になっています。振動はワインの熟成過程に悪影響を及ぼすため、ワインセラーでは特殊な振動防止機能を備えています。これにより、ワインは安定した環境下で静かに熟成することができます。

さらにワインセラーは、ワインのボトルを横に寝かせて保存できるようになっています。これは、コルクが液体に触れることで、乾燥しないようにするためです。コルクが乾燥すると縮んでしまい、ボトルの内部に空気が入ってしまいます。その結果、ワインが酸化し、味や香りが損なわれる可能性があります。ワインセラーでは、ワインボトルを適切な位置に保つことで、このような問題を防ぎます。

以上のように、ワインセラーはワインの品質を最大限に引き出すための、多くの特別な機能を備えた、ワイン専用の機器です。

ワインセラーとワインクーラーの違い

「ワインセラー」と「ワインクーラー」に正確な定義はありませんが、一般的に、ワインセラーはワインを長期保存することを目的としており、ワインクーラーはワインを飲む直前に適切な温度に冷やすことを目的にしている、という違いがあります。

ワインの提供温度は、赤ワインは16℃~18℃、白ワインは8℃~10℃でが理想とされています。しかし保管となると、赤と白で温度を分ける必要はなく、12℃~14℃に保つのがよいとされています。ですから、赤ワインであればワインセラーから出したものをそのまま提供できますが、白ワインであればもう少し冷やす必要があるので、ワインクーラーが使えるということです。

また、湿度管理する機能があるものをワインセラー、湿度管理する機能がないものをワインクーラーという分類もあります。

ワインの温度を一定に保つのが目的なので、冷やすだけでなく温める機能がついているものをワインセラー、冷やす機能しかないものをワインクーラーという分類もあります。

いずれにしろ、メーカーや販売店によって用語の使い方が違いますので、購入時には機能をよく確認するようにしましょう。

ワインセラーの種類

ワインセラーは、冷却方式の違いから、以下の3つに分けることができます。

ペルチェ式

ペルチェ式は、ペルチェ素子という半導体を用いた冷却方式です。PCのCPU冷却などに使われています。モーターなどを使わないので、振動が少ないというメリットがあります。一方で冷却性能は低いです。本体価格が安く、小型のワインセラーに向いています。ただし、消費電力は大きくなるので、長期的に見ると電気代の方が高くなる場合もあります。

熱吸収式

熱吸収式は、アンモニア等の気体の気化熱を利用して冷却します。振動が少なく、音が小さいのがメリットです。コンプレッサー式に比べると冷却性能は劣ります。また、湿度管理機能はついていないことが多いです。静音が求められる場所や、長期熟成用に向いています。

コンプレッサー式

コンプレッサー式は、冷蔵庫と同じ仕組みで、冷媒を循環させ、気化熱を利用して冷やします。3つの方式の中では、一番冷却性能が高いです。そのため、温度が安定しない場所や、頻繁に出し入れする環境での使用に向いています。加熱や加湿機能がついていることも多いです。デメリットは、冷蔵庫と同じように振動や動作音がするということと、本体価格が高めであるということです。

ワインセラーの選び方

ワインセラーを選ぶ時のポイントをご紹介します。

保管本数

まずは収納本数です。だいたい小型のもので30本、中型で100本、大型は100本以上となっています。冷却効率を考えると、少し余裕を持ったサイズにすることをおすすめします。

熟成期間

ワインを購入してから数ヶ月で飲むのか、数年間熟成させるのかによっても変わってきます。扉を頻繁に開け締めするのであれば、冷却性能が高いものが求められます。また長期熟成するならば、湿度管理も必要となります。

機能

例えば、赤ワインと白ワインで温度を分けて保存できるなど、特別な機能がついていることがあります。加湿や加温が必要かも考慮しましょう。

設置・搬入場所

設置場所によって、サイズや、重量、音の大きさを考える必要があります。大型であれば搬入経路の確認も必要となります。また、長期熟成を考えるならば、数年・数十年単位でその場所に置けるのかを考慮する必要があります。

費用

ワインセラーは、数万円から数十万円と、値段の幅があります。初期費用だけでなく、ランニング費用の電気代も考慮しましょう。

サポート・メンテナンス

長期熟成が目的であれば、故障時の対応も確認しておく必要があります。ワインセラーは、基本的には訪問修理となります。修理に時間がかかるようであれば、ワインがだめになってしまうかもしれません。小型で安価なものは、修理よりも、買い替えを前提としている場合もあります。

ワインセラーと冷蔵庫の違い

ワインセラーと冷蔵庫は、見た目と機能は似ていますが、目的が大きく異なります。

冷蔵庫の目的は、食品を低温に保ち、腐敗を防ぎ、新鮮な状態で保存することです。一般的な冷蔵庫の温度設定は4℃~10℃です。また、湿度についてはあまり重視されておらず、湿度管理機能はついていないことの方が多いです。

ワインセラーの目的は、ワインの品質を維持することと、安定して熟成させることです。熟成期間は、数年・数十年に及ぶこともあります。ワインセラーの温度設定は12℃~14℃、湿度は70%程度が理想とされています。また熟成のために、振動を最小限に抑える設計となっています。

ワインセラーを冷蔵庫として使えない理由

上記のように、冷蔵庫よりワインセラーの方が、高温・高湿度となっています。そのため、ワインセラーで食品を保存すると、腐る可能性があります。

またワインは、周囲の匂いを吸収しやすいという特性があります。すでにワインが入っている状態で、その他の飲食品を一緒に保存すると、ワインにその匂いが移る可能性があります。ワイン本来の風味が損なわれてしまうので、避けるべきです。

以上から、ワインセラーを冷蔵庫の代わりとして使うことは推奨されません。

ワインセラーにワイン以外で入れられるもの

ワインセラーにその他の食品を保存することは、推奨されていませんが、温度12℃~14℃、湿度70%ということを理解していれば、一部可能となります。

チーズやチョコレートなどはその例です。ワインのおつまみにもなりますので、ちょうどよいでしょう。

また日本酒など、他のアルコール飲料を保存できる場合もあります。

ただ、香りが移る問題は残りますので、その点は注意しましょう。

冷蔵庫をワインセラーの代わりに使うことはできるか

冷蔵庫

冷蔵庫をワインセラーとして使うメリット

ワインセラーは冷蔵庫より庫内温度が高いので、ワインセラーを冷蔵庫として使うことはできませんが、冷蔵庫をワインセラーとして使うことは、できなくもないです。ただし、ワインをより冷やすということなので、ワインセラーというより、ワインクーラーの方が近いでしょう。

ワインセラーの温度が12℃~14℃、冷蔵庫の温度が4℃~10℃、白ワインの提供温度が8℃~10℃なので、ワインセラーから出した白ワインを冷やすことはできます。

また、購入したワインを、短期的に保存しておくのならばよいでしょう。

冷蔵庫をワインセラーとして使う最大のメリットは、そのコストです。冷蔵庫はほとんどの家庭にありますので、追加でワインセラーを購入する必要がありません。

冷蔵庫をワインセラーとして使うデメリット

一方、ワインの長期的な保存、熟成には、冷蔵庫は向いていません。その理由は、主に4つあります。

1つ目は、温度が低すぎることです。温度が低すぎるとワインの熟成が進まず、ワイン本来の味わいが引き出せません。

2つ目は、冷蔵庫は振動が多いということです。コンプレッサーの振動が、ワインの熟成過程を乱す可能性があります。ワインセラーもコンプレッサーが使用されているものがありますが、振動を極力抑える設計になっています。

3つ目は、湿度です。多くの冷蔵庫には湿度管理機能がついていません。ワインにとっては、乾燥しすぎの環境となります。

4つ目は、匂いです。冷蔵庫内の他の食品の日覆が、コルクを通じて、ワインに移ってしまう可能性があります。

以上のことから、冷蔵庫をワインセラーとして使うことは、長期的には向いていないので、短期間に留めるか、専用のワインセラーを用意することが推奨されます。

ワインセラー一体型の冷蔵庫

ワインセラーと冷蔵庫は冷却の仕組みは一緒なので、一体になった製品もあります。

ワインセラーに冷蔵用のポケットがついているタイプと、冷蔵庫にワインのポケットがついているタイプがあります。

値段は、機器の大きさにより、数万円から百万円以上と、かなりの幅があります。

冷蔵庫とワインセラーを両方置くスペースがないという場合などには、検討してみるのもよいでしょう。

冷蔵庫をワインセラーに改造する

冷蔵庫はワインセラーより冷却性能が高いので、設定温度さえ変えれば、ワインセラーとして利用できなくもないですが、推奨はされません。

具体的には、サーモスタットという温度管理をする部品の調整をします。ただしこれには専門知識と専門技術が必要となりますので、素人が簡単にできることではありません。

また、湿度管理はできず、振動を抑えることもできないので、やはり専門のワインセラーを別に用意することが推奨されます。

まとめ ワインセラーは冷蔵庫の代わりになるか?

記事の内容をまとめます

  • ワインセラーの内部温度は12℃~14℃、湿度は70%前後
  • 冷蔵庫の内部温度は4℃~10℃
  • ワインセラーを冷蔵庫として使うことは、食品が腐る可能性があるので、推奨されない
  • 冷蔵庫をワインセラーとして使うことは、短期的には可能だが、長期的には向いていない
  • 冷蔵庫をワインセラーとして使うメリットは、そのコスト
  • 冷蔵庫をワインセラーとして使うデメリットは、温度が低すぎること、振動が多いこと、湿度が低いこと、他の食品の匂いがワインに移る可能性があること
  • ワインセラーと冷蔵庫が一体になった製品も存在する

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