日本三大厄神は「門戸厄神(兵庫)」「石清水八幡宮(京都)」「丹生都比売神社(和歌山)」と言われています。厄神とは「厄払いの神様」のことです。ここでは、日本三大厄神について、簡単に分かりやすくご説明します。
日本三大厄神の「厄神」って何?
「厄神(やくじん)」とは、病気や災難をもたらす悪い神様(疫神)である一方、災厄を打ち払う「厄除け」の神でもあります。日本三大厄神は、厄除けの神仏を祀っています。
一般的に仏教では、愛染明王と不動明王が一体となった「厄神明王(やくじんみょうおう)」のことを指します。神道では「八幡神(やはたのかみ)」とされます。
厄を回避することを仏教では「厄除け」、神道では「厄払い」といいます。仏教では仏の加護により厄が降り掛からないようにするという予防的な儀式です。神道は降り掛かってしまった厄を取り除く清めの儀式です。お寺では「護摩祈願(ごまきがん)」、神社では「お祓い(おはらい)」と呼ばれます。
日本三大厄神 門戸厄神(東光寺)
門戸厄神とは
「門戸厄神(もんどやくじん)」は、兵庫県西宮市にある、高野山真言宗のお寺です。正式名称は、「松泰山東光寺」と言います。あらゆる災厄を打ち払うという厄神明王が、門戸に祀られていることから、門戸厄神と呼ばれています。日本三体厄神の一つにあげられており、厄年の方が厄払いに集まります。
境内には、42段の男厄坂と、33段の女厄坂があり、それぞれ大厄の歳にちなんでいます。一段一段上がることで厄を落とすことができると言われています。
初詣や、毎年1月18日・19日の厄除大祭では、多くの参拝者で賑わいます。
門戸厄神へのアクセス
住所 | 兵庫県西宮市門戸西町2-26 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
公共交通機関 | 阪急今津線「門戸厄神駅」で下車し、徒歩10分 |
門戸厄神の厄払い
特別祈祷
厄払いを受ける本人が、本堂にて直接お祓いを受けます。さらに僧侶が、翌日から1年間に渡り祈祷します。
特別祈祷を受けた方は、厄神明王様の分身であるお札「祈祷札」を受け取ります。これを自宅に祀り、1年後にお札参りします。
年祈祷
申込みはお寺にて行いますが、本堂でのお祓いはありません。申込みの翌日から1年間、僧侶が祈祷します。
お札については、特別祈祷と同じです。
車の特別祈祷
交通安全を祈願し、車に直接お祓いをします。さらに僧侶が、翌日から1年間に渡り祈祷します。
当然、お寺まで車を運転していく必要があります。
お札については、特別祈祷と同じです。
車の年祈祷
申込みはお寺にて行いますが、車を直接お祓いすることはありません。申込みの翌日から1年間、僧侶が祈祷します。ナンバープレートの番号をお伝えください。
お札については、特別祈祷と同じです。
添護摩(そえごま)祈祷
名前、年齢、願い事を書いた「そえごま」を、護摩の炎で焼き、願いを叶えてもらう祈願です。
燃やした「そえごま」の代わりに、魔除け札を受け取ります。
門戸厄神 厄払いの料金・値段
特別祈祷が10,000円から、年祈祷が5,000円からとなっています。「から」と言うのは、お気持ちでそれ以上支払ってもよい、ということのようです。
車の祈願も同じで、特別祈祷が10,000円から、年祈祷が5,000円からです。
「そえごま」は1本500円です。
支払いは、お寺にて直接、現金のみです。インターネットでの予約、決済等はできません。
門戸厄神の祭り
毎月19日 厄除け例祭
1月1日 新年祈祷会(初詣、三福詣出)
1月18日・19日 厄除け大祭
毎月19日に行われる厄除け例祭の、新年最初の特別な祭です。全国から数十万人の人が参拝に訪れます。
2月3日 星祭(節分)
4月13日 十三詣
数え年で13歳になる子供が、厄落とし、開運などを願ってお参りする行事です。
4月19日 春季厄除け祭
8月19日 夏季厄除祭・門戸の夏祭「厄神まつり」
10月19日 秋季厄除け祭
11月15日 七五三詣
11月19日 人形供養
12月19日 納厄神
古札の焼納をする行事です。
門戸厄神のおみくじ・お守り
おみくじは1本100円です。受付の方から、おみくじ筒を受け取り、棒を出して番号を確認します。その番号を伝えて、おみくじの紙を受け取ります。おみくじの紙は、おみくじ掛けに結びます。
一般的なお守り、厄除けのお守りの外、進学、安産、交通安全を願うためのお守りがあります。だいたい500円前後の値段となっています。
日本三大厄神 石清水八幡宮
石清水八幡宮とは
「石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)」は、京都府八幡市にある神社です。地元の人からは「やわたのはちまんさん」の愛称で親しまれています。男山の山上にあり、旧称は「男山八幡宮」です。男山の中腹から「岩清水」が湧き出ていることから、石清水八幡宮の名がついたようです。
2016年に、本社10棟、附 棟札3枚が国宝に指定されました。
電球を発明したエジソンが、最終的に竹でフィラメントを作ったという逸話があり、その竹がこの周辺の真竹であったことから、境内に記念碑が置かれています。
徒然草に、ある僧侶が石清水八幡宮に参拝するも、途中にある神社で全てかと勘違いして帰ってしまい、山頂にある本殿まで行かなかったという話があります。現在は、山頂までケーブルカーで行くことができます。
石清水八幡宮へのアクセス
住所 | 京都府八幡市八幡高坊30 |
営業時間 | 6:00~18:00 |
公共交通機関 | 京阪電車「石清水八幡宮駅」で下車し、参道ケーブルに乗り換え、下車後徒歩5分 |
石清水八幡宮の厄除け
厄除けとは、「厄年」に何事もなく安心して過ごせるように神様に祈願する習わしのことです。
この「厄年」は、男性と女性であらかじめ決まっており、経験からくる人生の節目の年齢と考えられています。「数え年」でその年齢になる年を「本厄」、前年を「前厄」、翌年を「後厄」と言います。
また、自分の干支の年、つまり12年に1回も「廻り年」として、「厄年」と考えられています。
男性 | 女性 | |
前厄 | 24歳、41歳、60歳 | 18歳、32歳、36歳、60歳 |
本厄 | 25歳、42歳、61歳 | 19歳、33歳、37歳、61歳 |
後厄 | 26歳、43歳、62歳 | 20歳、34歳、38歳、62歳 |
廻り年 | 13歳(十三参り)、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳 |
さらに、九星方位による「八方塞がり」による「八方除け」、「凶方位」による「方除け」という考え方もあります。
最後に、「厄年」以外でも良くないことが起こった時に、「災難除け」をすることもできます。
厄年が明けた年、または願い事が成就した時に、改めて参詣することを「お礼参り」と言います。
石清水八幡宮 厄除開運の料金、値段
厄払いの祈祷料金はこのようになっています。表の金額は基本料金です。
前厄 | 10,000円 |
本厄 | 10,000円 |
後厄 | 10,000円 |
廻り年 | 10,000円 |
八方除け | 10,000円 |
方除け | 10,000円 |
災難除け | 10,000円 |
厄明けお礼参り | 7,000円 |
お礼参り | 7,000円 |
石清水八幡宮 その他祈祷の料金、値段
石清水八幡宮では、厄払い以外にも、様々な祈願に対応しています。表の金額は基本料金です。
祝歳参り | 5,000円 |
必勝祈願 | 7,000円 |
交通安全 | 7,000円 |
受験合格 | 7,000円 |
心身健康 | 7,000円 |
病気平癒 | 7,000円 |
旅行安全 | 7,000円 |
延命長寿 | 7,000円 |
心願成就 | 7,000円 |
誕生参り | 7,000円 |
成人参り | 7,000円 |
七五三詣 | 7,000円 |
十三参り | 10,000円 |
家内安全 | 10,000円 |
安産祈願 | 10,000円 |
社運隆昌 | 10,000円 |
商売繁盛 | 10,000円 |
社内安全 | 10,000円 |
初宮参り | 10,000円 |
祓祈願(入居・転居・改築・増築) | 10,000円 |
毎月祈祷(上記を1年間、毎月19日に、神職が祈祷する) | 30,000円 |
毎日祈祷(上記を1年間、毎朝と毎月19日に、神職が祈祷する) | 50,000円 |
地鎮祭 | 50,000円 |
上棟祭 | 50,000円 |
清祓 | 50,000円 |
石清水八幡宮の御朱印帳
御朱印とは、神社やお寺を参拝したときに押印してもらえる印象印影のことです。本来の趣旨とは外れますが、参拝の記念としてスタンプラリー的に集める方が多くいます。
まずは、どこかのお寺か神社で御朱印帳を購入して、参拝時に持参します。授与所にて御朱印代を収めて御朱印をいただくのが一般的です。
御朱印帳
通常、下記の2つの取り扱いがあります。
- 西陣織 御朱印帳(2,000円)
- 蒔絵 御朱印帳(3,000円)
それとは別に、毎年5月4日の「石清水灯燎華」限定で、「石清水灯燎華限定 蒔絵 御朱印帳」(3,000円)が販売されます。ただし、新型コロナウイルスの影響で、「石清水灯燎華」自体が開催されないこともありますので、ご注意ください。その場合、御朱印帳の取り扱いもありません。
御朱印
御朱印には、期間限定の刺繍入りを含めて、次の16種類があります。
石清水八幡宮 御本社 御朱印 | 300円 | |
摂社 武内社 御朱印 | 300円 | |
摂社 石清水社 御朱印 | 300円 | |
摂社 高良神社 御朱印 | 300円 | |
梅と鶯 | 1,000円 | 3~5月 限定 |
桜と蝶 | 1,000円 | 3~5月 限定 |
松と鳩 | 1,000円 | 3~5月 限定 |
杜若と鴫 | 1,000円 | 6~8月 限定 |
牡丹と蜻蛉 | 1,000円 | 6~8月 限定 |
椿と鶺鴒 | 1,000円 | 6~8月 限定 |
橘と鷹 | 1,000円 | 9~11月 限定 |
菊と鶴 | 1,000円 | 9~11月 限定 |
紅葉と鹿 | 1,000円 | 9~11月 限定 |
南天と兎 | 1,000円 | 12~2月 限定 |
水仙と雉子 | 1,000円 | 12~2月 限定 |
竹と鳳凰 | 1,000円 | 12~2月 限定 |
日本三大厄神 丹生都比売神社
丹生都比売神社とは
「丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ、にふつひめじんじゃ)」は、和歌山県伊都郡にある神社です。「天野大社」「天野四所明神」とも言われています。全国に約180ある丹生都比売神を祀る神社の総本社です。
2004年に、ユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として、「丹生都比売神社本殿」「丹生都比売神社楼門」「丹生都比売神社境内」が登録されました。
大乗仏教である真言宗の高野山と関係が深く、神仏融合のはじまりの地と言われています。
丹生都比売神社へのアクセス
住所 | 和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230 |
営業時間 | 8:45~16:30 |
公共交通機関 | JR和歌山駅「笠田駅」で下車し、かつらぎ町コミュニティバスに乗り換え「丹生都比売神社前」(30分) |
丹生都比売神社の祈祷
表の料金は、基本料金です。
厄除祈願 | 5,000円 |
家内安全 | 5,000円 |
開運招福 | 5,000円 |
安産祈願 | 5,000円 |
その他所祈願 | 5,000円 |
清祓 | 10,000円 |
初宮(お宮参り) | 10,000円 |
電話による予約が可能となっています。
丹生都比売神社の御朱印
丹生都比売神社御朱印帳は1,200円です。
御朱印は、通常のものと、世界遺産登録15周年を記念したものの2種類があり、それぞれ300円と500円です。
まとめ 日本三大厄神について
日本三大厄神とは「門戸厄神(東光寺)」「石清水八幡宮」「丹生都比売神社」のことです。
門戸厄神では不動明王を祀っています。本尊は薬師如来です。
石清水八幡宮の主祭神は「八幡大神」です。「八幡大神」は「誉田別命 (ほんだわけのみこと)」「比咩大神 (ひめおおかみ)」「息長帯姫命 (おきながたらしひめのみこと)」の総称です。
丹生都比売神社の主祭神は「四所明神」で、「丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)」「高野御子大神(たかのみこのおおかみ)」「大食津比売大神(おおげつひめのおおかみ)」「市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)」の総称です。
お役に立ちましたら幸いです。