スパークリングワイン自体は太りやすいお酒ではありませんが、その炭酸が飲みやすさを増し、食欲を刺激し、飲み過ぎ・食べ過ぎになる可能性はあります。また、チーズなどのおつまみも、脂質が多く、太りやすいです。このようにスパークリングワインが太るかどうかは、全体的な食事内容や、生活習慣によるところが大きいです。
ポイント
- スパークリングワインのカロリーと糖質量
- スパークリングワインの摂取が体重に及ぼす影響
- スパークリングワインと他のアルコール飲料との比較
- 糖尿病とスパークリングワインの関係
スパークリングワインは本当に太るのか?
スパークリングワイン1本のカロリーは?
スパークリングワインのカロリーは、1本750mlとすると、750kcal程とされています。1ml=1kcalなので、分かりやすいですね。
分かりやすく100mlで考えると、100kcalとなります。赤ワインや白ワインが、約73kcalとされているので、それより少し高いカロリーとなります。
また、スパークリングワインの糖質量は100mlあたり2gとされています。これは他のアルコール飲料と比較しても高いわけではなく、白ワインは同じく2g、赤ワインは1.5gとなっています。
しかしスパークリングワインは炭酸が入っているので、飲みやすく、また胃腸を刺激して食欲を増進させる効果があります。つまり、飲み過ぎ、食べ過ぎにつながりやすいので、注意が必要ということです。
毎日ワインを飲むと太る?
ワインは不思議な飲み物で、毎日飲むと、痩せるとも、太るとも言われています。どちらが正しいのでしょうか。
まず赤ワインは、美容と健康に良い成分が豊富に含まれており、赤ワインダイエット法が存在するほどです。赤ワインを毎日グラス1杯飲むことで、体重増加を抑制し、体重が減りやすくなるという研究結果も出ています。また、白ワインの方も、辛口であれば、血糖値を抑える効果があると言われています。
ではなぜ太るのかというと、生活習慣全体によるところが大きいです。ワイン自体は太りやすいお酒ではありませんが、飲む量や、おつまみの選び方によって、体重増加の可能性もでてきます。
例えば、ワインのおつまみとして定番のチーズは、脂質の多い食品です。アルコールのカロリーは熱として放出されますが、脂質は体内に吸収されやすくなります。結果、太ることにつながります。
以上のことから、毎日ワインを飲むことが太るかどうかは、ワイン自体の問題よりも、全体的な食事の内容、生活習慣によるところが大きいと言えます。
夜、寝る前のワインは太る?
ワインを寝る前に飲むと、痩せるという説もありますが、一般的には太りやすくなるとされています。これは、ワインというより、アルコール全般に言えることです。
寝る前に飲んだアルコールは、肝臓で分解され、エネルギーが消費されます。寝ているとこのエネルギーが消費されず、体内に蓄積され、体重の増加につながります。
またアルコールは、睡眠の質を低下させることが知られています。質の良い睡眠は、適切な体重管理にはとても重要なことです。逆に睡眠不足は、食欲を増進させます。特に高カロリーのものへの欲求が高まることが、研究で示されています。
したがって、寝る前にワインを飲むことは、カロリーの摂取、エネルギーの蓄積、睡眠の質の低下から、体重の増加につながる可能性があります。
一方で、ポリフェノール等の成分がいい影響を与えるという説もありますが、アルコールのデメリットとのバランスが重要ということになります。
ビールとスパークリングワイン、どっちが太る?
ビールとスパークリングワインは、どちらも発泡性のアルコール飲料で、日本ではよく飲まれています。
100mlで比べると、スパークリングワインは100kcal、糖質2gほどです。一方ビールは40kcal、糖質3.1gです。同じ量で比べると、スパークリングワインの方がカロリーが高いことが分かります。
しかしビールは1缶350mlを飲むことが多いのではないでしょうか。そうすると、140kcalとなります。スパークリングワインをどれくらい飲むかは人によりますが、グラス1杯程度とすると、約150mlとなり、150kcalとなります。
また、ビールのアルコール度数は約5%、スパークリングワインのアルコール度数は約10~12%です。一般的に、アルコールを飲むと、食欲が促進されます。
結局、カロリーだけ比べても大差はないので、おつまみ等の量や種類といった、全体的な食習慣によるということになります。
一番太らないお酒とは
体重増加を抑えたいのであれば、カロリーと糖質が低いのは当然ですが、割り物に砂糖が含まれていないことも重要です。
例えば、焼酎はその一例です。100ml当たりのカロリーは約70kcalで、糖質はゼロです。焼酎の原料は、米・麦・芋などの炭水化物ですが、醸造過程で糖質はほぼカットされます。また、カロリーの大部分はアルコールから来ていますが、アルコールは「エンプティカロリー」と呼ばれ、炭水化物・脂質・タンパク質を含んでおらず、太りにくいと言われています。
ウイスキーと炭酸水で割ったハイボールもおすすめです。ハイボールも焼酎と同じくカロリーは約70kcalで、糖質はほぼゼロです。また、炭酸水には砂糖が含まれていません。
これらは、太りにくいお酒の一例ですが、どのお酒も適量を守ることが最も重要です。お酒が好きだからといって、毎日飲酒することはおすすめできません。肝臓はアルコールの代謝だけでなく、普段の食事から栄養素を補給するための重要な働きを担っています。毎日のようにお酒を飲んでいると、肝臓の働きが悪くなり、消化・吸収がうまく行われず、太る原因にもなりかねません。健康な体づくりのためにも、休肝日を設けるとよいでしょう。
太る以外のスパークリングワインの問題
スパークリングワインは体に悪いって本当?
スパークリングワインが体に悪いということはありません。むしろ適量であれば、一定の健康効果があるとも言われています。
例えば、スパークリングワインに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用があり、心血管疾患の予防に効果があるとされています。また適度なアルコール摂取は、ストレスの軽減につながります。
一方、適量を超えたアルコール摂取は、肝臓に重大な負担をかける可能性があります。特に、長期的な過剰摂取は、肝臓疾患のリスクを高め、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんにつながる可能性があります。
また、アルコール依存症のリスクも無視できません。アルコール依存症は、身体的、精神的な健康問題を引き起こすだけでなく、社会生活にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、アルコールは体内の水分バランスを崩す可能性があり、脱水症状を引き起こすことがあります。これは、頭痛や倦怠感、集中力の低下などの体調不良を引き起こす可能性があります。
以上のことから、スパークリングワインを楽しむ際は、自身の体調や健康状態に合わせて、適量を見極めることが大切です。
スパークリングワインと糖尿病の関係
スパークリングワインと糖尿病との間には、微妙なバランスが存在します。適度な摂取量であれば、インスリン感受性を高め、2型糖尿病のリスクを低減する可能性があるという研究結果があります。具体的には、週に1〜2杯のスパークリングワインを摂取することで、インスリン感受性が約10%向上するというデータがあります。
しかし、この効果は摂取量が適量であることが前提となります。過度なアルコール摂取は、逆に糖尿病のリスクを増加させる可能性があります。特に、1日に3杯以上のスパークリングワインを摂取すると、2型糖尿病のリスクが約20%増加するとの報告があります。
さらに、既に糖尿病を持つ人々にとっては、アルコール摂取は血糖コントロールを難しくする可能性があります。アルコールは肝臓の機能を阻害し、血糖値の調節を困難にすることが知られています。そのため、糖尿病患者は医師と相談した上で、アルコール摂取を検討するべきです。
これらの情報から、スパークリングワインと糖尿病との関係は一概には言えません。適量の摂取であれば健康に対する利点がある一方、過度な摂取や既存の糖尿病患者にとってはリスクを伴います。したがって、アルコールの摂取は個々の健康状態やライフスタイルに応じて、適切に管理されるべきです。
糖質オフスパークリングワインとは
スパークリングワインを楽しみたいけれど、糖質が気になるという方には、糖質オフスパークリングワインをおすすめします。
糖質オフスパークリングワインは、その名の通り、糖質を大幅に削減したスパークリングワインの一種です。糖質が少ないということから、カロリーがゼロであると誤解されることがありますが、これは誤りです。糖質オフスパークリングワインもエネルギー源となるカロリーを含んでいます。
また、糖質オフという特性がアルコール度数に影響を及ぼすわけではありません。一般的なスパークリングワインと同じく、アルコール度数は約11%~13%程度となります。したがって、飲酒の際は適量を守ることが重要となります。
まとめ スパークリングワインは太るのか
記事の内容をまとめます。
- スパークリングワイン1本(750ml)のカロリーは約750kcal
- スパークリングワインの糖質量は100mlあたり2g
- スパークリングワインは飲みやすく、食欲を増進させる効果がある
- ワインは毎日飲むと痩せるとも、太るとも言われている
- ワインのおつまみとして定番のチーズは脂質が多いので、太る要因となる
- ワインを寝る前に飲むと太りやすくなるとされている
- スパークリングワインが体に悪いということはなく、適量であれば一定の健康効果がある
- 適量を超えたアルコール摂取は肝臓に重大な負担をかける可能性がある
- 糖質が気になる方には、糖質オフスパークリングワインがおすすめ