ワインが苦い?その理由と楽しみ方

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ワインが苦い?その理由と楽しみ方

2023年7月14日

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ワインはその種類や産地、年代によって味が大きく変わり、それぞれに「飲み頃」が存在します。飲み頃を迎えていないワインは本来の美味しさを楽しむことができません。また、ワインの味わいは、酸味や苦味、渋味、甘味といった様々な要素が絡み合い複雑なので、最初は美味しくないと感じることもあります。しかし、慣れてくると、その複雑な味を探すような楽しさが出てきます。この記事では、ワインが苦いと感じる理由と、その苦味を解消する方法をご紹介します。

ポイント

  • ワインが苦いと感じる主な原因であるタンニンについて
  • ワインの苦味が強まる要素とその緩和方法
  • ワインの適切な保存方法と劣化の影響
  • ワインの苦味を楽しむための飲み方や料理との組み合わせ

ワインを苦いと感じる理由

ワインの色

ワインはなぜ苦いか

タンニン

ワインを苦いと感じる主な原因は、ポリフェノールの一種である「タンニン」という成分のためです。

ポリフェノールは、ブドウの皮や種、茎から抽出され、ワインに色や風味を与える重要な要素です。特にタンニンは、ワインの苦味や渋味を引き立てます。ワインの発酵過程で、ブドウの果汁が皮や種と接触している時間が長いと、ポリフェノールがより多く抽出され、結果的にワインの苦味が強まります。これは赤ワインが白ワインよりも苦味が強い理由とも言えます。

また、ブドウ自体だけでなく、ワインの樽も影響を与えています。熟成の際に使用するオーク樽にはタンニンが多く含まれているので、長く熟成すれば、よりタンニンが強化されることになります。

タンニンは赤ワインに多く含まれており、ワインに渋みを与えますが、苦味自体は味覚ではなく触覚だといわれています。タンニンが口の中に入ると、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性を起こします。この変性によって感じるのが苦味であるため、タンニンは味覚よりも触覚に近い感覚です。

タンニンは時間とともに他の物質と結合していくので、苦味は次第に弱くなっていきます。そのため、苦味の強いワインは一般的に若いワインだとされています。熟成されたワインの瓶の底に沈んでいる澱(おり)の正体は、他の物質と結合したタンニンです。タンニンは赤ワインの色合いにも影響を与えており、澱が多くなるほどワインの色味が薄くなります。またタンニンは、酸化による劣化からワインを守っているとも言われています。

このようにタンニンは、ワインに大きな影響を与えることから「赤ワインの骨格」と呼ばれることもあります。しかしタンニンの量だけで、ワインの味が決まるわけではありません。ブドウの種類、製造過程、保存方法、提供方法、個人の味覚など、様々な要素が複雑に影響しあっています。

劣化

また、ワインの保存方法も苦味の感じ方に影響を与えます。不適切な保存をしていると、その品質が低下し、苦味が強調される可能性があります。

直射日光、高温、空気との接触を避け、適切な温度と湿度で保存することで、バランスのよい風味を保つことができます。

ワインの美味しさがわからないと思ったら

ワインは苦いだけで、美味しさが分らないという人も多くいます。しかしそれは、ワインの選び方や飲み方が間違っているからかもしれません。

適切なワインを選ぶ

ワインは、種類や産地、年代によって大きく味が変わります。それぞれのワインには「飲み頃」があり、飲み頃を迎えていないワインは本来の美味しさを楽しむことができません。特に高級なワインは長期間の熟成が必要なものが多く、飲み頃を見極めるのが難しいとされています。最初は専門家のアドバイスを聞くと良いでしょう。

適切な温度で飲む

ワインの味わいは、飲む温度によって大きく変わります。赤ワインは約14〜20度、白ワインは約8〜14度、ロゼワインは約8〜10度が一般的な飲み頃の温度とされています。適切な温度でワインを飲むことで、ワイン本来の美味しさを引き立てることができます。また、飲む前にデキャンティングすることも有効です。

ワインの味に慣れる

とは言え、ワインの味わいは、酸味や苦味、渋味、甘味といった様々な要素が絡み合い複雑なので、最初は美味しくないと感じるほうが一般的です。これは、複数の味を一度に感じてしまい、混乱するからです。慣れてくると、複雑な味を、舌で探すような楽しさが出てきます。それまでは、多少の経験が必要となります。

まずいワインの特徴

ワインの品質は、主に色・香り・味わいで判断されます。それにより、いわゆる「まずい」ワインを区別することができます。

ワインの色は、飲む前でも判断できるので、重要な要素です。赤ワインが褐色に変色している場合は、酸化が進んでいる可能性があります。白ワインが深い黄色や琥珀色に変色している場合も、酸化の可能性があります。

香り

ワインの香りは、主に劣化しているかどうかの判断ができます。カビのような深いな香り、酢のような酸っぱい香りがする場合は、製造過程に問題があったか、保存に問題があって劣化した可能性があります。

味わい

最終的には、飲んで判断することになります。好みにもよりますが、一般的に酸っぱい・苦い・渋いワインは、まずいワイン、低品質なワインと言われます。

劣化したワインの対処法

ワインが劣化とは、微生物、酸素、外部からの熱や光などがワインに作用することで、ワインの品質が著しく損なわれることを指します。これにより、酢酸菌による酢酸発酵などが進み、苦味や酸っぱさが強くなります。色が褐色に変わっていたり、酢のような香りがしたり、味が酸っぱくなっている場合は、劣化している可能性が高いです。

劣化の原因は様々で、瓶詰めされる前にも、後にも要因はあります。特に、直射日光や急激な温度変化にさらされると、すぐに劣化してしまいます。

劣化したワインの一つに「ブショネ」という状態があります。これは、ワインがコルクの影響で特有の臭いを持つ状態を指します。ブショネのワインは、時間が経つと臭いが強くなります。開栓直後にコルクの匂いが気になったが、5~10分後には全く問題なくなった場合は、そのワインは優良であったということです。

ワインが劣化しているかどうかは、色・香りでも見分けることができますが、最終的には飲んで判断するしかありません。ワインが劣化していたとしても、まずいと感じるだけで、飲むことはできますし、健康に影響はありません。劣化したワインは、料理酒として活用することもできます。赤ワインであれば、カレーやビーフシチューなどの煮込み料理に使えます。白ワインであれば、クリームシチューや、アサリ・ムール貝などの白ワイン蒸しに使うことができます。

しかし、どうしても飲めない、料理にも使いたくないほど劣化したワインであれば、最後は泣く泣く処分するしかないでしょう。

酸化したワインは苦い?

ワインの酸化は、ワインの風味を大きく変える要因の一つです。酸化はワインが空気と接触することで進行します。この過程でワインの色調は褐色に変化し、香りは酢のようになり、味覚は苦味を帯びることがあります。これらの変化は、ワインの中のエタノールが酸化し、酢酸へと変わる化学反応によるものです。

酸化が進行すると、ワインのフレッシュな果実の風味は次第に失われ、代わりにドライフルーツやナッツのような風味が現れます。特に、フェノール類が酸化されると、苦味を引き起こします。フェノール類は、ワインの色、香り、味を決定する重要な成分であり、その酸化はワインの品質を大きく左右します。

酸化を防ぐには、空気に長く触れないようにすることが重要です。ワインを開封したらすぐに飲むようにしましょう。開封済みのワインを保存する場合は、ワインストッパーで密閉し、冷暗所に保存するようにしましょう。

苦いワインの楽しみ方

サングリア

苦いワインと料理の組み合わせ

苦いワインは、特定の食事と組み合わせることで、その苦味を和らげることができます。

赤ワインであれば、肉料理や、濃厚な煮込み料理との組み合わせが最適です。ステーキに濃厚なソースをかけて赤ワインと合わせると、肉のこってりとした味わいと、ワインの渋みが相性抜群となります。

白ワインは、スッキリとした味わいの料理との組み合わせが良いとされています。カルパッチョや刺身などのフレッシュな食べ物が、特に相性が良いです。淡白な白身魚、特にヒラメやタイは白ワインとの相性が抜群です。

ロゼワインやスパークリングワインは、どんな料理にも合う万能ワインとも言えます。ロゼワインは色によって料理を合わせることもおすすめで、濃い色のロゼワインには赤身の肉料理、淡い色のロゼワインには前菜や白身の魚料理が良く合います。

このように定番の組み合わせはありますが、自分の好きなようにするのが一番です。好きな食べ物というだけで、苦味が和らぎ、ワインの味わいが向上することもあります。自分だけのオリジナルのマリアージュ(ワインと食事の組み合わせ)を見つけるのも楽しいでしょう。

苦いワインを甘くするアレンジ方法

ワインが苦い、美味しくないと感じる場合は、ワインをアレンジすることで、新たな味わいを楽しむことができます。特に、ワインに慣れてない方のおすすめです。

以下に、いくつかのアレンジ方法をご紹介します。

キール

白ワインに、カシスリキュールを加えたカクテルです。爽やかな白ワインの味わいと、甘酸っぱいカシスリキュールが絶妙なバランスを楽しめます。特に、クレーム・ド・カシスという甘口のリキュールを使用すると、白ワイン単体よりも飲みやすくなります。クランベリーやイチゴなどのベリー系のフルーツをトッピングしてもよいでしょう。

サングリア

赤ワインや白ワインに、フルーツやミント、スパイスなどを加えてたものです。シロップで甘さを調節したり、氷や炭酸、ジュースなどを加え、自分好みの味わいにすることができます。フルーツポンチの感覚で、食べることも楽しましょう。ベリーや柑橘系のフルーツが定番ですが、それ以外の様々なフルーツを試すのも面白いです。

ホットワイン

温めたワインに、シナモン、グローブ、八角などのスパイスを加えたものです。スパイスだけでなく、ハチミツやリキュールなどの甘みを加えることもあります。アルコールも飛ぶため、全体的に味わいがマイルドになります。普通のワインとは全く違う、意外な風味をお楽しみください。

ワインが苦い理由のまとめ

記事のポイントをまとめます。

  • ワインの苦味の主な原因はポリフェノールの一種であるタンニン
  • タンニンはブドウの皮や種、茎から抽出され、ワインに色や風味を与える
  • ワインの発酵過程でブドウの果汁が皮や種と長く接触すると、ポリフェノールが多く抽出され、ワインの苦味が強まる
  • 熟成の際に使用するオーク樽にもタンニンが多く含まれており、長く熟成するとタンニンが強化される
  • タンニンは時間とともに他の物質と結合し、苦味は次第に弱くなる
  • ワインの保存方法も苦味の感じ方に影響を与え、不適切な保存は品質を低下させ、苦味を強調する可能性がある
  • ワインが劣化すると、その風味は大きく変わり、酸化が進行するとワインの色調は褐色に変化し、香りは酢のようになり、味覚は苦味を帯びる
  • ワインの味わいは飲む温度によって大きく変わり、適切な温度でワインを飲むことで、ワイン本来の美味しさを引き立てる
  • ワインの劣化とは、微生物、酸素、外部からの熱や光などがワインに作用し、ワインの品質が著しく損なわれることを指す
  • ワインは、直射日光や急激な温度変化にさらされると、すぐに劣化してしまう

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