最近、Twitterを中心に「困ったなァ」「もう疲れちゃってェ」「全然動けなくてェ」という文体が流行しています。これは2023年に発売されたゲーム「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」に登場するコログのセリフを真似たものです。ここではコログ構文の特徴と、ゲームをしたことない方向けに、その背景となる情報をご説明します。
コログ構文の使い方
コログ構文とは
「コログ構文」とは、Nintendo Switch用のゲーム『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に登場する、森の妖精「コログ」のセリフに似せた構文のことです。
友達のところに行きたいなァ
ハァ… 困ったなァ
まさか友達と はぐれちゃうなんてェ…
狼煙をあげて待ってくれてるみたいだから
急いで追いつきたいけど
もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』よりコログのセリフ
コログ構文の例
コログ構文は、以下のように使われています。
- ハァ… 困ったなァ まさか休日出勤だなんてェ… 急いで出社したいけど もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…
- ハァ… 困ったなァ 夕飯作らないといけいないのに もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…
- ハァ… 困ったなァ ゼルダ待ってるみたいだから 早く探し出したいけど 遊ぶの楽しくて 全然ストーリー進まなくてェ…
やらなければいけないけど、やりたくない気持ちを表しています。
コログ構文の特徴
コログ構文には、以下のような特徴があります。
ため息
初手「ハァ」というため息から入ることで、周囲の人のやる気を削ぎます。
三点リーダー
「…」を使うことで、「疲れたアピール」をし、鬱陶しさを倍増させます。
カタカナの捨て仮名
語尾に小さい「ァ」「ェ」をつけます。出版用語では「捨て仮名(すてがな)」と言うそうです。これにより、ウザさが強調されます。
全て独り言
「◯◯で困っている」「✕✕すれば解決する」と言いつつ、「△△だからやらない」と言います。「△△」は「疲れた」など、舐めた理由であるとなお良いです。
そして、一番重要な点として「助けて」とは決して言わないということです。全ては独り言であり、(助けてほしいなー、チラッチラッ)と見ているだけです。
コログ構文の「コログ」って何
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』とは
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、任天堂がNintendo Switch向けに開発し、2023年5月12日に発売された、アクションアドベンチャーゲームです。発売から3日間で1,000万本以上売れ、世界中で大ヒットしています。
2017年3月3日に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたります。『ブレス オブ ザ ワイルド』も、2017年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、10年に1度の傑作と言われた大ヒット作です。6年間で、2,900万本の売上を達成しています。
『ティアーズ オブ ザ キングダム』はその続編ということで、なかなか難しいのではと言われていましたが、期待を遥かに上回る出来だったため、一気に人気が爆発しました。
「コログ」とは
「コログ」とは、ゼルダシリーズに登場する、森の妖精のような存在です。
『ブレス オブ ザ ワイルド』『ティアーズ オブ ザ キングダム』では、ゲームマップのいたるところに生息しており、遭遇すると様々なミニゲームに挑戦できます。ミニゲームをクリアすると、「コログのミ」(通称うんち)を貰えます。「コログのミ」をたくさん集めると、武器・弓・盾を所持できる数を増やすことができます。所持数を増やすことは、ゲーム上必須ではありませんが、増やさないととても不便なため、プレイヤーは半強制的にコログのミを集めることになります。
コロ虐とは
そんなコログですが、プレイヤーからは大変に(嫌われ)愛されており、コログを雑に扱う「コロ虐」なる行為が、Twitter等に頻繁に投稿されています。
こちらは、コログを崖の上に運ばないといけないのですが、面倒だからロケット一発で飛ばないかなーと思ったところ、ギリギリ届かずに落ちてきたというものです。
このように、コログは雑に扱われがちなのですが、その理由をご説明します。
900体もいる!
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』では、コログは全部で900箇所にいます。それぞれがミニゲームを持っています。
最初は丁寧にやっていても、途中からは面倒になってきて、どんどん雑に、効率的にクリアするようになってきます。
ちなみにゲーム上、900全て集める必要はありませんが、最低でも100くらいは欲しいところです。
目的が逸れる
ある目的地を目指して移動している途中でコログを発見すると、その行動を中断しなければいけませんし、全然違う方向へ移動させられることも多いです。
「この忙しいのに邪魔するな!」(でもコログのミを集めなければいけない)と、プレイヤーをイライラさせます。
コログ構文がむかつく
そしてイラっとしたところに、このコログ構文です。
「もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…」
「うっせーわ!!」
となるわけですね。
プレイヤーのクリエイティビティが試される
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、自由度が異常に高く、ユーザーの自由な発想が試されるゲームです。
コログのミニゲームをクリアする方法は無限にあります。そうすると、いたずら心が芽生えるわけです。
無敵である
そしてコログは無敵です。ユーザーが何をやっても、傷つくことはありません。ユーザーが反撃されることもありません。
こうして、世の中に「コロ虐」が蔓延するのです。
まとめ コログ構文とは
コログ構文とは、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に登場する「コログ」のセリフを真似たものです。
「ハァ… 困ったなァ」「もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…」という文体で、「なァ」「てェ…」が注目されがちですが、「独り言であり、決して頼んではいない」というところが、一番のポイントだと思っています。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の大ヒットに伴い、コログ構文の人気も高まっており、2023年の流行語となる可能性も持っています。