MBTIとは、質問に答えてることで16タイプに分類する性格診断です。最近韓国で大流行しており、その影響を受け、日本でも人気が高まっています。しかしMBTIは、検査を受ける度に診断結果が変わってしまうことがあります。そもそもMBTIとは何なのか、なぜ結果が変わるのかについて、簡単に分かりやすくご説明します。
MBTIとは?生涯変わらない?それとも変わる?
MBTIとは
「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator、マイヤーズ・ブリッグス タイプ インジケーター)」とは、性格診断の一種です(公式は違うと言っていますが)。性格を、下記の4項目のどちらに当てはまるかにより、2*2*2*2=16パターンに分類するというものです。
- E:外向型(Extravertion) I:内向型(Introvertion)
- S:感覚型(Sensation) N:直感型(Intuition)
- T:思考型(Thinking) F:感情型(Feeling)
- J:判断型(Judging) P:知覚型(Perceiving)
どちらを選んだかで「ESTJ」「INFP」などと表現します。
元々は心理学者のカール・グスタフ・ユングの著書『心理学的類型』(1921)に基づいた理論で、アメリカ人のキャサリン・クック・ブリッグスと、イザベル・ブリッグス・マイヤーズの母娘によって、1962年にまとめられました。
MBTIと韓国
MBTIは1962年からある理論ですが、度々流行しては、その度に批判されるということを繰り返しています。
それが、2021年頃より韓国で突如大流行し始めました。はっきりとした理由は不明ですが、韓国の芸能界やゲーム業界が採用したことがきっかけとなったようです。元々韓国にはシャーマニズム文化が根付いており、四柱推命などの占いも人気です。また、自己アピールをするのが好きという国民性があります。MBTIの流行には、そういう背景もあるようです。
最近のK-POPアイドルは、プロフィール欄にMBTIが書かれていることが多いです。それを見てファンは、性格を想像したり、相性診断をしたりして楽しむわけです。それに伴い、一般人もプロフィール欄にMBTIを書くようになりました。MBTIはアルファベット4文字なので、ハッシュタグとして丁度よかったという事情もあるようです。
韓国のZ世代は、ほぼ間違いなく自分のMBTIを把握しています。初対面の時は「私のMBTIは~」という会話から入るのが定番です。「彼のMBTIは◯◯だから、私との相性が~」という会話はどこからでも聞こえてきます。最近は、企業の採用試験にも使われているそうです。
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MBTIの「E」と「I」
MBTIの「E」は「外向型(Extravertion)」、「I」は「内向型(Introvertion)」を意味します。例を挙げると、次のような違いがあります。
E:外向型 | I:内向型 |
---|---|
パーティなど、みんなで過ごすのが好き | 読書など、一人で過ごすのが好き |
アイデアを思いついたら、誰かと共有したい | アイデアを思いついたら、一人で考え続ける |
外部の環境に注意を向ける | 自分の意識に注意を向ける |
他人の意見を参考にする | 自分自身で決断する |
他人と話すことがストレス解消となる | 一人で過ごすことがストレス解消となる |
MBTIの「S」と「N」
MBTIの「S」は「感覚型(Sensation)」、「N」は「直感型(Intuition)」を意味します。例を挙げると、次のような違いがあります。
S:感覚型 | N:直感型 |
---|---|
過去の事実や経験に基づいて行動する | 新しいアイデアや可能性に基づいて行動する |
まず細部に注意を向ける | まず全体に注意を向ける |
具体的な事実を好む | 抽象的な思考を好む |
伝統を重視する | 革新を重視する |
見たり、触ったりという五感を重視する | 直感(第六感)を重視する |
MBTIの「T」と「F」
MBTIの「T」は「思考型(Thinking)」、「F」は「感情型(Feeling)」を意味します。例を挙げると、次のような違いがあります。
T:思考型 | F:感情型 |
---|---|
事実に基づいて行動する | 周囲の人の感情に基づいて行動する |
客観性を重視する | 個人の主観を重視する |
公平を重視する | 調和を重視する |
論理性を尊重する | 立場や感情を尊重する |
問題点を明確に指摘する | 問題点を指摘する際も、感情を考慮する |
MBTIの「J」と「P」
MBTIの「J」は「判断型(Judging)」、「P」は「知覚型(Perceiving)」を意味します。例を挙げると、次のような違いがあります。
J:判断型 | P:知覚型 |
---|---|
事前に綿密なスケジュールを立てる | スケジュールを詰めるのは好まず、開けておく |
すぐに決断する | 決断するのに時間がかかる |
シングルタスクが得意 | マルチタスクが得意 |
制限がある方が動きやすい | 制限がない方が動きやすい |
整理整頓されていると落ち着く | 乱雑な方が落ち着く |
MBTIは変わることを想定している?
MBTIは本来、「主機能(第一機能)」「補助機能(第二機能)」「代替機能(第三機能)」「劣等機能(第四機能)」という4つの階層を持ち、それぞれに対応する8つの機能があると考えます。
- Te:外向的思考(Extraverted Thinking)
- Ti:内向的思考(Introverted Thinking)
- Fe:外向的感情(Extraverted Feeling)
- Fi:内向的感情(Introverted Feeling)
- Se:外向的感覚(Extraverted Sensation)
- Si:内向的感覚(Introverted Sensation)
- Ne:外向的直観(Extraverted Intuition)
- Ni:内向的直観(Introverted Intuition)
ですから、MBTIが変わるというより「主機能は◯◯だけど、今は補助機能の△△が強くでている」という解釈がされます。
- ESTP:Se Ti Fe Ni
- ISTP:Ti Se Ni Fe
- ESTJ:Te Si Ne Fi
- ISTJ:Si Te Fi Ne
- ESFJ:Fe Si Ne Ti
- ISFJ:Si Fe Ti Ne
- ESFP:Se Fi Te Ni
- ISFP:Fi Se Ni Te
- ENTJ:Te Ni Se Fi
- INTJ:Ni Te Fi Se
- ENTP:Ne Ti Fe Si
- INTP:Ti Ne Si Fe
- ENFJ:Fe Ni Se Ti
- INFJ:Ni Fe Ti Se
- ENFP:Ne Fi Te Si
- INFP:Fi Ne Si Te
例えば「ESTP:Se Ti Fe Ni」と「ESFP:Se Fi Te Ni」は、第一と第四は同じですが、第二と第三に違いがあります。「ESTP:Se Ti Fe Ni」と「ISTP:Ti Se Ni Fe」は、構成要素は同じですが順番が違います。これが、簡易診断だと違いを生んでしまう原因となります。
MBTIの結果が変わる理由
そもそもMBTIではない
ネット上には、MBTI無料診断ができるサイトが多数ありますが、それらは公式のMBTIではありません。日本MBTI協会によると、訓練を受けた有資格者が、対面にて、1日近くかけてセッションを行うとされています。かなり厳しい倫理規程が設けられており、ネットで数分でできるようなものではありません。また、相性診断も否定しています。
ネット上のMBTI診断は、MBTIに似た性格診断テストと言えます。おそらく主機能、補助機能という考えも入っていません。
ですから、ネット上の(偽?)MBTI診断にて、毎回結果が異なったとしても、最初からMBTIではないし……ということになります。
MBTI理論が間違っている
では、公式のMBTIであれば正しいのかと言えば、そうでもなく、科学的ではない、まったく信頼性がないと、大いに批判されています。そもそも、元となったユングの理論を、そのまま信じている心理学者はいないでしょう。1921年の古い理論です。
なぜMBTIの結果が変わるのか、というより、毎回結果が変わるMBTIは信頼性がない、とされています。
自己申告である
MBTIの診断結果が変わる最大の理由は、自己申告が元になっており、客観性がないためです。質問に対して正直に答えるというのは難しく、誰でも見栄を張ってしまうものです。また、その日の体調や環境にも大きく作用されます。
そのため診断結果も、受ける日によって変わってしまいます。毎日変わるのであれば、それは性格というより、その日の気分ということになります。
二分できない
MBTIでは「外向型」「内向型」のように、どちらかに二分することを基本としています。しかし統計的にみると、どちらか一方に偏るのではなく、中央あたりが一番多い正規分布になることが分かっています。つまり人間は「外向型」「内向型」ではなく、「どちらでもない型」の人が一番多いのです。中央が一番多いので、無理に分けようとすると、左右にもブレやすくなります。そのため、少しの差で結果が大きく変わってしまいます。
まとめ MBTIの結果が変わるのは
MBTIは最近韓国で流行し始めましたが、元々のユングまでたどれば1921年からある古い理論です。心理学者からは疑似科学であり、信ぴょう性がないと批判されています。
また、ネット上に多数あるMBTI診断は、MBTIですらなく、理論も不明な謎の性格診断テストです。
それも含めてMBTIであるとして考えると、MBTIは自己申告を元にしているため、回答が常に同じとは限りません。周囲の環境の変化、精神的なストレス、自分自身の変化とともに、回答内容は変わってきます。そのため、MBTIの分類も変わってしまいます。
MBTIについては、血液型と同じで、真剣にとらえず、エンタメの一部として考えておくのがよいでしょう。