ダイヤモンドによく似た宝石としてモアサナイトの注目が高まっています。見た目でほとんど区別できないと言われていますが、着けていてバレることはないのでしょうか。この記事では、モアサナイトとは何か、モアサナイトの特性、ダイヤモンドとの比較、ダイヤモンドとの見分け方について解説しています。また、あえてモアサナイトを選ぶ人が増えている理由と、おすすめの店舗についてもご紹介しています。
ポイント
- モアサナイトの特徴
- モアサナイトとダイヤモンドの比較
- モアサナイトとダイヤモンドを見分ける方法
- あえてモアサナイトを購入することについて
モアサナイトって何?見ただけでバレる?
モアサナイトとは何か、モアサナイトとダイヤモンドの違い、天然と人工の違い、モアサナイトとダイヤモンドの見分け方、モアサナイトを見ただけで判断できるかについて解説します。
モアサナイトとは
「モアサナイト(Moissanite)」とは、炭化ケイ素(SiC)の結晶のことです。その美しさと耐久性から、ダイヤモンドの代替品として、ジュエリー用途に使われています。工業用途で使用されることもあります。
発見と名前の由来
モアサナイトは、1893年、フランスの化学者アンリ・モアッサン(Henri Moissan)によって、アリゾナの隕石クレーターで発見されました。
発見者の名前にちなみ、「モアサナイト(Moisanite)」と命名されました。
人工モアサナイト
1998年、アメリカのチャールズ&コルバード社が、人工モアサナイトの製造に成功し、ジュエリーとして販売開始します。
天然モアサナイトは、緑や黄色をしていますが、これは不純物によるものです。天然モアサナイトは小さく、不規則な形状をしているので、大きな結晶が見つかことはとても珍しく、高い価値を持ちます。
一方、人工モアサナイトは、望むサイズや形にカットすることができ、自由に色をつけることもできます。天然に比べればはるかに安価なので、宝石市場で人気となっています。
特性
モアサナイトは、ダイヤモンドに似た光学特性があり、高い屈折率と輝きを持っています。そのため、ジュエリー業界でダイヤモンドの代替品として広まっています。
また、モース硬度は9.25~9.5で、ダイヤモンド(10)に次いで硬い素材です。
ダイヤモンドは、採掘に伴う環境破壊や、市場での高価格から、社会に対する影響が懸念されることがあります。一方モアサナイトは、手頃な価格であり、環境への影響も小さいので、持続可能でエコフレンドリーな選択とみなされることがあります。
モアサナイトとダイヤモンドの比較
モアサナイト、ダイヤモンド両方とも、天然と人工のものが存在します。それぞれについて、違いを比較します。
組成
- 天然ダイヤモンド:純粋な炭素(C)ですが、微量の不純物が含まれることがあります。
- 人工ダイヤモンド:天然ダイヤモンドとは化学的には同じ炭素(C)ですが、純度が高く、色や透明度を制御することができます。
- 天然モアサナイト:炭素とシリコンの化合物である炭化ケイ素(SiC)です。微量の不純物が含まれ、独特の色合いを持つことがあります。
- 人工モアサナイト:天然モアサナイトと同じ炭化ケイ素(SiC)です。天然のものより純度が高く、不純物が含まれていないか、意図的に制御されています。
生成
- 天然ダイヤモンド:地球のマントルで数十億年かけて生成され、火山活動により地表近くに移動します。
- 人工ダイヤモンド:高温高圧や、化学気相成長などの方法で、人工的に製造されます。
- 天然モアサナイト:主に隕石の中から発見される、非常に稀な鉱石です。
- 人工モアサナイト:1998年に、アメリカで製造方法の特許が取得されましたが、2015年に期限が切れました。その後各国で、様々な製造方法が開発されています。
特性
- ダイヤモンド(天然・人工):モース硬度10で、最も硬い鉱石です。高い屈折率と分散により、独特の輝きを持ちます。油脂を吸着します。電気を通しません。
- モアサナイト(天然・人工):モース硬度9.25で、ダイヤモンドに次ぐ硬さがあります。外観もダイヤモンドに似ていますが、独自のファイア(輝き)を持ちます。油脂を吸着しません。電気を通します。また、ダイヤモンドより高い耐熱性があります。
用途
- 天然ダイヤモンド:美しさと耐久性から、宝飾品として広く使われています。最も硬い物質なので、切削・研磨・掘削などの工業用途にも使用されています。
- 人工ダイヤモンド:天然ダイヤモンドより低コストのため、工業用途や、エコフレンドリーな宝飾品として使用されています。
- 天然モアサナイト:非常に希少なので、研究用途に限定されています。
- 人工モアサナイト:ダイヤモンドの代替品として、宝飾品や工具などの使用されています。
価格
宝飾品としての天然ダイヤモンドの価格を100とした場合の、大まかな価格比較です。
- 天然ダイヤモンド:100
- 人工ダイヤモンド:50
- 天然モアサナイト:一般には流通しません
- 人工モアサナイト:10
モアサナイトとダイヤモンドの見分け方
モアサナイトとダイヤモンドは、物理的・光学的な特性の違いを使って見分ける方法がいくつかあります。ただし、専門家が器具を使って検査しない限り、見分けることは困難でしょう。
屈折率の違い
モアサナイトは、ダイヤモンドより高い屈折率を持ちます。
ダイヤモンドは通常、光を単一の線として屈折させますが、モアサナイトは二重屈折を起こします。
宝石を透かして線を見た場合、ブレて見えたら、モアサナイトの可能性があります。
分散度の違い
モアサナイトはダイヤモンドより高い光の分散度を持つので、より多くの「ファイア(色の分散)」が起こります。
このため、モアサナイトの方が虹色の輝きが顕著です。
熱伝導率の違い
ダイヤモンドに息を吹きかけると、すぐに曇りが消えます。モアサナイトの方が、消えるスピードが遅いです。
これはダイヤモンドの方が、熱伝導率が高いためです。
電気伝導性の違い
基本的にダイヤモンドは電気を通しませんが、モアサナイトは通します。
テスターを使うことで、違いを検出することができます。
重さの違い
同じサイズであれば、ダイヤモンドはモアサナイトより重いです。
測定するには、専用の器具が必要となります。
モアサナイトは見ただけでバレる?
上記のように、ダイヤモンドとモアサナイトを区別する方法はありますが、専門家がじっくりと調べなければわかりません。
したがって、装飾品としてモアサナイトのリング、ピアス、ネックレスなどを使用していたとしても、ダイヤモンドと見分けがつかず、モアサナイトということがバレることはありません。
モアサナイトとダイヤモンドは、見た目がほとんど同じで、輝き方も似ています。モアサナイトの方が輝きは強いですが、それを日常生活の中で見抜くことはできません。
唯一バレる可能性があるとしたら、自ら話した時のみでしょう。
バレる心配をするのではなく、あえてモアサナイトを持とう
モアサナイトとダイヤモンドを見た目で区別できないのであれば、あえてダイヤモンドを持つ意味はないのかもしれません。モアサナイトを購入する歳の注意点と、欠点、おすすめの店舗について解説します。
モアサナイトに欠点はある?
見た目も硬さもダイヤモンドとほぼ同じなのであれば、モアサナイトに欠点はあるのでしょうか。
モアサナイトの欠点を強いてあげるならば「ダイヤモンドではなく、モアサナイトだ」ということくらいです。
輝きが安っぽい?
モアサナイトはダイヤモンドに比べて、強く輝きます。
小さいサイズであればほとんど区別ができませんが、大きくなると違いが分かりやすくなってきます。
その強い輝きを「下品」「安っぽい」「おもちゃっぽい」と表現する人もいます。しかしそれは、同じサイズのダイヤモンドと並べて比較したら分かるという話であり、着用している宝石を見ただけで区別することは、ほぼ不可能です。
他人からは区別できないとなると、自分の中での納得感だけの問題となります。
そもそもダイヤモンドの価値とは?
ダイヤモンドに比べて、モアサナイトに引け目を感じるのは、値段が安いからでしょう。だいたい10分の1の値段で購入することができます。しかしそれは、価値が10分の1しかないということにはなりません。
そもそもなぜ我々がダイヤモンドに価値を感じるのかというと、ある会社のマーケティング戦略によるものです。
中世の時代、ダイヤモンドがヨーロッパに伝わると、貴族や王族の装飾品として使用されるようになりました。
18世紀後半に産業革命が起きると、中産階級にも、宝飾品としてのダイヤモンドが広まっていきました。
20世紀初頭、南アフリカでダイヤモンドの鉱脈が発見されると、ダイヤモンドの生産量が増え、価値が暴落しました。特に1930年代に世界恐慌が起きると、ダイヤモンドの需要は大幅に低下しました。
そこに手を入れたのが、イギリスのロンドンに本社を置くデビアス社(De Beers)です。デビアス社は、主に次の3つのことを行いました。
- 採掘から流通まで支配することで、ダイヤモンドが希少であるように見せかける
- 「ダイヤモンドは永遠の輝き(A Diamond is Forever)」をキャッチフレーズに、映画や著名人を使って、婚約指輪にダイヤモンドを送るというイメージを作り上げる
- ダイヤモンドの品質基準として4C(カラット、カット、クラリティ、カラー)を定め、値段に説得力を持たせる
1970年代の日本では、婚約指輪を送るカップルの割合は50%、それがダイヤモンドである割合は7%しかいなかったそうです。現在は70%のカップルがダイヤモンドの指輪を選ぶそうなので、いかにデビアス社のマーケティング戦略が成功したのかということが分かります。
新しい時代の価値観
しかし21世紀、令和のこの時代、そのようなメディアが作り上げた価値観は薄れてきています。実際にデビアス社の影響力も低下しているそうです。
ダイヤモンドの採掘は、環境に悪影響がある他、紛争の要因ともなっています。
美しく輝く装飾品が欲しいのであれば、ダイヤモンドである必要はないし、天然である必要もありません。
人工モアサナイトを身につけることは、過去の価値観からの脱却でもあります。
ダイヤモンドの代替品ではなく、あえてモアサナイトを選ぶ人が増えています。
モアサナイトを購入するには
モアサナイトを購入するならば、ネクストダイヤモンド がおすすめです。
モアサナイトは、信頼できるお店で選ぶことが重要です。
ダイヤモンドに類似した宝石としては、モアサナイトの他にも「キュービックジルコニア」などがあります。
あえてキュービックジルコニアを選ぶのならばいいのですが、ダイヤモンドやモアサナイトと偽って販売する詐欺業者が多く存在しています。
上述のように、素人にはほとんど見分けがつきませんので、そのお店を信頼できるかどうかで判断するしかありません。
ネクストダイヤモンド は、モアサナイトとラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)の専門店です。東京の松屋銀座にも店舗を構えており、信頼度で言えばこれ以上のものはないでしょう。
既存の概念にとらわれない、新しい価値観を楽しみましょう。
まとめ モアサナイトは見ただけでバレるか
記事の内容をまとめます。
- モアサナイトとは、炭化ケイ素の結晶である鉱石
- モアサナイトとダイヤモンドは、見た目も特性もよく似ており、ほとんど区別できない
- 天然のモアサナイトは、隕石内部にしかなく、非常に希少
- 2000年以降、人工モアサナイトの製法が確立し、宝飾品として流通し始めた
- 人工モアサナイトの値段は、天然ダイヤモンドの約10分の1
- モアサナイトとダイヤモンドは、専門家が調査すれば、見分けることができる
- モアサナイトとダイヤモンドは、日常生活の中では、ほぼ区別することはできない
- モアサナイトのジュエリーを身に着けていても、バレることはない
- そもそもダイヤモンドに高い価値があるというのは、マーケティング戦略によるもの
- 値段が安く、環境にも優しいモアサナイトを、あえて選ぶ人も増えている
- モアサナイトを買うならば、信頼性の高いネクストダイヤモンド がおすすめ